
徳島県を西から東へ流れる雄大な吉野川
その中流の南岸に広がる吉野川市
新緑の息吹と熱いおもてなしに溢れていました
- (写真左)高知県の瓶ヶ森(かめがもり)に源を発し全長194km、日本でも有数の大河でもある「吉野川」。市内の吉野川には様々な表情を持つ橋を数多く見られます。写真の橋は、手前の日本最大約500haの川の中の島「善入寺島」へ架かる幅3m長さ362mの「学島橋」。川の増水時には沈んでしまう“潜水橋”です。
- (写真中)こちらはお隣の阿波市側から善入寺島に架かる「香美橋」。自然の風景に溶け込んだ美しい潜水橋です。
- (写真右)珍しい片つり斜張橋の「岩津橋」。塔は遠くからでも目を引いています。
豊かな自然を再整備
いつまでも残しておきたい大切なものを
肌で感じられる場所
- (写真左)山川町の吉野川の河川敷にある8haの広大な広場は「水辺の楽校・バンブーパーク」。到着すると目に飛び込んでくるのが広〜い芝生の広場。周囲には竹製のフィールドアスレチック、トンボ池、そり用スロープ、竹と石張りの遊歩道などがあり、大人から子供までのんびり楽しめます。整備された竹林は見ているだけで気持ち良く、5月6月はタケノコ狩りに多くの人が押し寄せるそうです。
- (写真中)わず駆け出したくなる芝生広場。大声で叫んでも大丈夫です。
- (写真右)バンブーパーク脇の堤防は、ゆっくり河岸の景色を楽しみながらドライブできます。
四国最大の大河吉野川がもたらした
人、モノ、文化の歴史
人口4万人弱の吉野川市は、東部の商業の町鴨島町、中央部の城下町川島町、西部の自然豊かな山川町、そして南部の日本の原風景が残る美郷地区があり、町・山・村の顔を持つ言わば『スモール日本』とも言える町です。藍より青しとうたわれた「吉野川」には時代を映しだした個性的な橋がかかり、その風景は“橋の博物館”のようです。また阿波和紙伝統産業会館では、1300年の歴史を現代の生活空間に新鮮な感性で届ける取り組みに触れ、思いがけない発見に出会えます。
- (写真左)阿波和紙の歴史は、8世紀初めに忌部族が麻やコウゾを阿波の地に植えたことが始まり。「阿波和紙伝統産業会館」では、その技術、技法の制作工程を再現。こちらは2階の多目的ホール。
- (写真右)阿波和紙の紙漉き場。
- (写真左)スタッフの山崎純さんに紙漉き体験を指導していただきました。
- (写真中)出来上がりに大満足。
- (写真右)ミュージアムショップでは、阿波和紙使用の商品を販売。
- (写真左)名前が歴史を語る、創業150年の「川田まんぢう国道店」さん。
- (写真中)小豆の皮を一枚一枚丁寧にむいて作る自家製薄墨あんのおまんじゅう。保存料着色料等の添加物は一切不使用。
- (写真右)おしゃべりが楽しいスタッフの寺西久子さん。
自然と暮らしの野外博物館
ホタルのすむ美しい郷
美郷地区には、吉野川に注ぐ川田川と東山谷川の2つの川が深い山に刻まれた谷を流れています。1970年に地区がホタル及びその発生地として国の天然記念物に指定されています。ホタルの生態や美郷の気候風土、歴史、文化、暮らしを紹介する「美郷ほたる館」や、旧種野小学校が、地域交流・体験・宿泊のできる中山間交流拠点として生まれ変わった「たねのや」など、この地域ならではの暮らしの営みを学んでから川辺へ出かけると感動倍増です。
- (写真左)ピザ窯もある「たねのや」のカフェスペース。1時間単位で借りられます(440円/h)。宿泊者は無料でキッチンが使えます。
- (写真中)キッズルームには、オルガンやトランポリンなどの遊具が。
- (写真右)2018年まで児童が通っていた校舎。広がる緑と澄んだ空気が魅力です。
- (写真左)ホタルは瀬や淵がある水のきれいな川に生息します。5月下旬から6月中旬頃の間、美郷を優しい光で迎えてくれます。
- (写真中)「美郷ほたる館」では、ホタルに関する資料展示や研究、飼育を行なっています。ほたる館の周辺で発光するホタルの群飛が見られます。
- (写真右)川に寄り添うように建っています。
にほんの里100選に選ばれた
山の上まで続く圧巻の石積み
- (写真左)高開集落には石積みの段々畑が点在し、一つ一つ丁寧に積まれた石積みが山の上まで続いています。急峻な土地に農地を開き、家を構えてきたため段々畑や家を支える石積みが発達してきたものです。300年前以上も前に造られたと言われる石積みは、高さ約150m、幅約300mにわたり山肌一面に約30段の石垣が連なっています。
- (写真中)空まで続くかのような石積みの圧倒的な景観です。国の文化的景観重要地域で、2009年には「にほんの里100選」に選ばれました。春には赤や白の芝桜が石積み一面を覆います。12月にはライトアップされ、夜空に石積みが幻想的に浮かびあがります。
- (写真右)ハート型のサインには『天空の石垣 高開』とあります。
小さな集落に多くの人が訪れる
加えない、飾らない山里の暮らし
美郷地区は、四国でも有数の梅の産地です。自家製の梅酒は古くから作られていましたが、平成20年に全国第一号の『梅酒特区』の認定を受け現在5つの梅酒蔵があり、個性的な味を競っています。さらに山の高所にある「高開(たかがい)の石積み」は4月には芝桜が咲き誇り、12月の中旬にはライトアップされ幻想的な風景が楽しめます。
※開催の詳細はご確認ください。
- (写真左)山間の道を上った標高200mに位置する「大畠(おおばたけ)酒造」さん。梅酒の鮮度や品質は代々受け継がれてきた昔ながらの製造方法にこだわっています。甘口・辛口、男性向け・女性向け、新酒から5年熟成まで豊富な種類を誇っています。
- (写真中)杉友善一郎さんによると、漬け込みは5月で11月封切り。
- (写真右)代表の奥様 喜美子さんにも種類を教わりました。
- (写真左) 山間の道をくねくね登って行きます。
- (写真右)冬には積雪もある山間の蔵です。
先人の偉業に思いを馳せて
歴史探訪ドライブ
- (写真左)善入寺島につながるコンクリート製の潜水橋「川島橋」。四国霊場第10番札所「切幡寺」と第11番札所「藤井寺」の間にあり多くのお遍路さんが渡っています。
- (写真中)美郷のチェリーロード沿いにある「村田旅館」。チェリーロードは、こちらの村田芳久さんが50年以上かけて2000本以上の桜の木を植え続けているものです。
- (写真右)川島町~美郷へつながる県道沿い約30kmにわたって桜が並ぶチェリーロード。
- (写真左)四国八十八ヶ所最古の「藤井寺」。
- (写真中)境内の奥には、次の標高700m第12番札所「焼山寺」まで約12.3kmの道標が。『へんろころがし』と言われる過酷な道程です。
- (写真右)吉野川を望む「川島城」。現在は休館中です。
元気と癒しと感動を!
吉野川市のお勧めスポット
吉野川市は、市が育児や子育てに力を注いでいることもあって、若い街の一面もあります。特に市役所のある鴨島地区は活気にあふれています。UターンやIターンした人が新しい事業を始めていたり、整備された公園には赤ちゃんからお年寄りまで笑い声が途切れません。また少し周辺をドライブすれば、四国八十八ヶ所霊場「藤井寺」もあり、歴史に触れ清らかな気持ちに浸ればドライブの疲れも癒されます。
- (写真左) 濱西秀範さん祐佳さんご夫婦が昨年オープンさせたテイクアウト専門のデリカテッセンのお店「TOGO DELI KITCHEN」さん。
- (写真中左) 4タイプのボックスで買うスタイルです。
- (写真中右)毎日10〜15種類の惣菜が並びます。
- (写真右)可愛い入り口が目印です。
- (写真)鴨島の市民憩いの場所「江川・鴨島公園」。春は公園一帯に桜の花が咲き乱れ、お花見の人で賑わいます。昔話の音声が流れるカッパやたぬきの可愛い石像にも会えます。
吉野川の清流と大空の青さが似合うカフェレストラン
- (写真左) 手前は大きなエビフライも付いた『スペシャルハンバーグ』(1,705円)と『エビグラタン』(825円)。どちらもプラス275円でサラダとドリンクがつきます。
- (写真中左)吉野川を望む特等席。徳島県の石材“阿波の青石”も目の前に横たわっています。
- (写真中右)お店の奥は、アメリカントレインを模した個室が並びます。
- (写真右)ピンクの外壁に『American Station』のブルーの店名が良き時代のアメリカの雰囲気を醸し出しています。
アメリカンですが豊富なメニューで人気なお店
岩津橋を通り過ぎ国道193号を西に走ると、ショッキングピンクの派手な建物が目に入ってきます。このいかにもアメリカンなお店は、「CAFE&RESTAURANT アメリカンステーション」。人気のアメリカンハンバーグやステーキはもちろんクリームコロッケや若鶏の唐揚げなどの定食もあり、昼食時には行列もできるそうです。
アメリカンステーション
吉野川市 山川町一里塚 77-1
訪れる人が『わはは』な気持ちになれる山間の素朴な物産館
- (写真左) ボリューム感、おもてなし感満載、1日20食限定の『日替わり定食』(800円)。惣菜は毎日変わりますが、地元産の昔ながらの手打ちそばが付いています。極太のそばは、こだわりの九割そばです。
- (写真左中)明るい店内で舌鼓。20食限定なのでお昼前に売り切れの場合も。
- (写真右中) 昔ながらの地元産の梅干し、梅酒、田舎団子も人気商品です。
- (写真右)県外ナンバーも次々訪れる山間の人気店です。
赤い看板が目印の美郷の物産館でいただく田舎ごはん
車を美郷地区の奥へ走らせると「美郷物産館」の赤い看板が静かな沿道に佇んでいます。入口のボードには『来てくださるお客様があはは、な気持ちになれるような、食事や商品、接客でありたい』のメッセージ。ほんわかした気持ちで店内に入ると、店内は特産品販売と飲食のコーナーに分かれていて、手作り感あふれる素朴な雰囲気に包まれています。
みさと屋 美郷物産館
吉野川市美郷字峠463-3
素材・製法・地元にこだわる昨年10月に移転したばかりの1999年創業のケーキ店
- (写真左)手前は、苺風味のホワイトチョコレートムースとショコラブランの二層仕立のムースが見た目も可愛い『フレーズ・ピスターシュ』(540円)と『青森産りんごジュース』(200円)。奥は、人気の『いちごのタルト』(702円)と『アイスティー』(300円)。
- (写真中左)陽光たっぷりのテラスでのお茶は格別です。
- (写真中右)チョコやケーキがショーケースにびっしり。
- (写真右)高開の石積みをイメージした焼き菓子『阿波の石積み』(5個入1,188円)。お土産に最適。
インスピレーションあふれるアイデアで作られた個性的なケーキ
田園風景の中にモダンな建物が目を引きます。鴨島駅前からのどかな風景の場所に移転されました。オープン当初は駐車場に入るのに1時間、行列も100人ほどになったそうです。パティシエの山本和希さん尚矢さんご兄弟は菓子コンテストで数々の受賞歴があり、入り口正面には賞状やメダルがびっしりでワクワク感マックスです。