
真珠のふるさと、と言えば三重県志摩市。リアス式海岸が美しい湾を作っています。 的矢かきで知られる的矢湾。英虞湾には、大小約60の島々や無数の真珠いかだ。 青い空、紺碧の海、新鮮な海の幸。ここでしか出逢えないものがある『美(うま)し国』です。
リアス式の海岸線と波穏やかな湾。 見え隠れする島々に気持ちが高ぶる
三重県志摩市は、伊勢神宮から見て志摩半島の南東下部にあります。伊勢志摩サミット以降一躍脚光を浴びた志摩市は、伊勢志摩国立公園内にあり、リアス式海岸の圧倒的な美しさは訪れる人に感動をもたらしてくれます。志摩市の英虞湾は、真珠発祥の地として知られていますが、『御食つ国(みけつくに)』として、実は2000年もの昔から多くの日本人を惹きつけてきた町でもあります。その美しさからこの町では実に40数本の映画も撮影されています。リアス式海岸は、大きく北部の『的矢(まとや)湾』と南部の『英虞(あご)湾』に分かれます。市内には、志摩バイパス(国道260号線)、パールロード(県道128号線)など整備された道路が旅案内をしてくれます。個性的な橋も多く、渡るたび旅情をくすぐります。
- (写真左)リアス式の海岸線と穏やかな的矢湾の美しい景色に際立つ真っ赤なアーチ型の「的矢湾大橋」。
- (写真右)真珠の海に架かる真珠色の「志摩大橋(志摩パールブリッジ)」。 英虞湾のパノラマを一望できます。
336年熊野灘を見守る灯台 絵描き心を惹きつける灯台
志摩半島は、熊野灘と遠州灘がぶつかる海の難所に面し、多くの灯台が活躍しています。中でも、「安乗埼(あのりさき)灯台」は、徳川幕府が燈明堂を建てたのが始まりの歴史ある灯台。全国でも珍しい四角い形で、参観灯台として上まで登れます。階段を上って踊り場に出ると、穏やかな『的矢湾』と豪快な『熊野灘』のコントラストが楽しめます。全国の絵かきさん達が集う「大王埼灯台」も是非訪ねたい所です。
- (写真左)『日本の灯台50選』にも選ばれている白亜の「安乗埼灯台」。四角い形が印象的です。
- (写真中)太平洋の荒波が寄せる岸壁に立つ白亜の灯台が「大王埼灯台」。灯台の美しい景色は、多くの画家に親しまれ『絵かきの町』としても有名です。
- (写真右)灯台へ向かう波切港では、干物屋さんが軒を連ねています。
- (写真左)灯台の近くの「八幡さん公園」には、絵かきさんの銅像がありました。
- (写真中・右)この灯台も「安乗埼灯台」と同様、上まで登れます。内部が見られる『参観灯台』は、全国に15基しか有りません。
SNSが火をつけた人気スポット 全国の若者が集う志摩の新しい顔
「賢島」を望む岬の丘にあるリゾート施設「志摩地中海村」。ゲートに一歩足を踏み入れた途端、オレンジ色の屋根と真っ白な壁が目に飛び込んできます。まるで異国の地に来たような別世界。宿泊施設、レストランやカフェなどがあり、外国の町で過ごしているような気分で楽しめます。雰囲気の違った3つの町をぶらぶらした後は、英虞湾クルーズや桟橋からのフィッシングも気軽に。旅のテンションを高めてくれるおすすめスポットです。
- (写真左)目の前に賢島を望む絶好のロケーションにある「志摩地中海村」が違和感なく英虞湾に溶け込んでいます。
- (写真中・右)ゲートの向こうは、地中海に面したスペインの街並みが広がります。
- (写真左・中)本場スペインの設計士による街並みは、「アンダルシアの街」「サルジニアの街」「カスティーリャの街」の、3つのゾーンに分かれています。細部までこだわったデザインで、リアルな地中海の雰囲気を楽しめます。
- (写真右)桟橋から『英虞湾体験クルーズ』。潮風に髪をなびかせながら30分。静かな湾のクルーズは快適でした。
“真珠のゆりかご”を望みながら “五感を潤す”ちょっと大人のリゾート
「地中海村」の南の「英虞湾」を望む丘陵地にある「NEMU HOTEL & RESORT」。2013年にリニューアルされた快適リゾートです。ホテルはもちろん、和食懐石やリゾートフレンチを愉しむレストラン、自然体験・アクティビティ、ヨガ体験、テニスにゴルフ、グランピングそして天然温泉。この地で体と心を癒す『地産地癒(ちさんちゆ)』を堪能できます。広大な敷地の中をのんびりカートで走るとなんとも言えない贅沢な安らぎを感じます。
- (写真左)リアス式海岸が美しい「英虞湾」を一望するならこちら標高203m横山にある「横山展望台」。絶景を独り占めです。
- (写真中)ホテルの隣の小高い丘では、毎夜午後8時から10時まで、宿泊者のために『焚き火カフェ』がオープンします。優しいBGMが流れ、焚き火でマシュマロを焼きながらコーヒーをいただく至福の時間です。天気が良ければ近くのベッドで是非星空観賞も。
- (写真右)朝モヤに煙る『ヨガテラス』で朝食前に「YOGA体験」。ヒーリングインストラクターの名戸裕子さんの指導のもと、英虞湾を望み遮るもののない自然の中でのヨガ。これ以上ない自然との一体感です。
言わずと知れた真珠の町 海と生き海と育った町に触れる
志摩市には、自然以外にも『海』と生きて来た町の顔があります。賢島駅のすぐ近くにある「志摩マリンランド」はマンボウが泳ぐ水族館として人気ですが、なんと海女さんも泳いでいました。「真珠工房 真珠の里」では、アコヤ貝から自分の手で真珠を取り出す体験をしました。「松井真珠店」では、四世代も受け継いだケシ(芥子)と呼ばれる核のない天然真珠の細工を見せていただいたり、じっくり見て回ると、海と真珠の町として生きている志摩市の魅力を垣間見ることができます。
- (写真左)大きな水槽でマンボウが2匹優雅に泳いでいます。マンボウの大きさが分かるよう水槽にメジャーが貼ってあります。
- (写真中)「志摩マリンランド」の回遊水槽では、サメ、ブリなど約50種2500匹の魚が泳いでいますが、10時から30分ごとに白い磯着姿の海女さんが餌付けをします。たまに手を振ってくれます。
- (写真右)入園するとすぐフンボルトペンギンが迎えてくれます。
- (写真)創業112年の「松井真珠店」。店内には明治時代の蓄音機や柱時計が。映画『寅さん』の舞台にもなりました。
- (写真)「真珠の里」で真珠取り出し体験。真珠が出てくるまで挑戦します(1個1,000円)。取り出した真珠は磨いてアクセサリーに。
海女さんとのお話も楽しい『海女小屋体験』
海女小屋は、海女さんが漁で疲れた体を休めたり、暖をとったりする場所。「さとうみ庵」では、火場(囲炉裏)を囲み桧扇貝、サザエ、スルメイカやひじきの釜めしなどをいただきました。海女さんの貴重なお話で盛り上がり、楽しいひと時でした。
- (写真左)炭火の囲炉裏で魚介類を網焼きしてくれます。
- (写真中左)海女の仕事が大好きという海女歴30年の中西智美さん。
- (写真中右)新鮮な旬の魚介類と名物『てこね寿司』。
- (写真右)「海女資料館」の中には、実際の海女小屋が再現されています。
海女小屋体験施設 「さとうみ庵」 (海女資料館)
住所/三重県志摩市志摩町越賀2279
お問合せ/0599-85-1212 完全予約制(お問合せ時間 9:00〜17:00)
営業時間/11:00~14:00 18:00~20:00 定休日/不定休(年末年始休業)
料金/基本コース ぷりぷり桧扇貝(2個)※、採れたてさざえ(2個)、新鮮スルメイカ(1杯)、漁師町の干物(2種類)、名物青さのお味噌汁ひじきの釜飯 ※当日の仕入れ状況等により一部コース内容に変更あり お一人様 3,780円(税込)大人3名様以上でのお申込み
地元で育った板長が腕をふるう海の幸
料理にとっては、鮮度に勝る味付けはない。恵まれた海の幸が豊富な志摩の食材をお客様に出せるのは料理人にとって最高の喜び。と料理長の速水栄さん。伊勢志摩の料亭としてのプライドに、私たちの舌は完全にノックアウトされました。
- (写真左)速水さんの愉快なお話も楽しかったですが、料理も絶品。写真手前は、鮑の柔らか煮。薄口醤油でしんみりとした上品な味付け。鯛の煮付けは、口の中で柔らかい甘味が広がります。写真右は、「鯛」名代『鯛せんべい』です。なんと鯛の『皮』と『身』でできています。香ばしくて何枚もいただきました。
- (写真中)人気メニューの『鯛茶漬け』。出汁を入れるとパーっと磯の香りが広がり隠し味のゴマだれが食欲をそそります。
- (写真右)落ち着いた店構えです。
日本料理 「鯛」
住所/三重県志摩市阿児町鵜方2037-1
お問合せ/0599-43-4572
営業時間/11:00~14:00(オーダーストップ13:30)、16:30〜21:30(オーダーストップ21:00)
定休日/月曜日
料金/海の幸御膳 3,600円(税込)〜
テラコッタの壁のレストランで地中海ランチ
地中海村の先端にあるレストラン「RIAS」。開放的な窓からは、光り輝く英虞湾の水面と澄んだ大空が広がります。こちらでは、壁や調度品、食器にさえ感じる洗練された雰囲気の中で海の幸の宝庫・伊勢志摩の新鮮な食材を使った『地中海料理』を楽しめます。
- (写真左)写真は『カスティーリャ ランチ』で志摩産魚介の盛り合わせサラダのオードブル、スープ、パスタとパエリア(どちらかチョイス)、メインの真鯛のポアレのセット(2,500円税別)。
- (写真中左)南欧の雰囲気の中で。
- (写真中右)ウッドデッキからは英虞湾を一望。開放感抜群です。
- (写真右)英虞湾に向かって村内の坂を下ったところにあります。
志摩地中海村 地中海レストラン RIAS(リアス)
住所/三重県志摩市浜島町迫子2619番地1
お問合せ/0570-085-399
営業時間/朝食: 7:30~10:00(L.O. 9:30)、昼食:11:30~14:00(L.O.13:30)
夕食:17:30〜22:00(L.0.21:00、平日L.0.20:00)事前予約制
定休日/不定休(要確認)※金曜日(祝日は除く)はランチ定休日
- (写真左・中)「NEMU HOTEL & RESORT」にある「レストラン里海」で朝食。昆布と鰹節の上品な出汁のお吸い物はほんのり天然塩を加え、体を目覚めさせてくれます。鯛湯葉蒸しや地魚の干物や焼き魚など朝から大満足。
- (写真右)ロビーラウンジでは、アフタヌーンティやカクテルなども楽しめる寛ぎのスペースです。
- (写真左)森の中のガーデンプールの辺りを散策。優雅な雰囲気が漂います。
- (写真中)広い施設内の移動はランドカーで移動します。