
湯浅町
平安時代の古より長い歴史に彩られた町。伝統と歴史が息吹く醤油発祥の地
和歌山県湯浅町は、熊野三山へと続く熊野古道の宿場町として栄え、熊野古道が唯一市街地を通る町として知られています。しかし何と言っても日本の味、醤油のふる里(発祥の地)としての方が有名です。鎌倉時代、中国の宋で修行を積んだ僧が伝えた金山寺味噌から生まれたのが日本の醤油の始まりと言われています。江戸時代には1000戸の湯浅で醤油屋は何と92件もありました。明治になると大手メーカーの進出で激減しますが、伝統は昔の呼び名「湯浅たまり」のままこの地にささやかながら今も残っています。白壁の土蔵、幕板、格子戸、虫籠窓など醤油醸造の伝統が残る一帯は、平成18年に「重要伝統的建造物群保存地区」(伝建地区)に選定されています。伝建地区をのんびり散策すると、街全体を民俗資料館にしたような「せいろミュージアム」や古い民家を利用した休憩所や土蔵造りの資料館など、醤油づくりの文化や当時の風情や町の人の暖かいおもてなしを肌で感じられます。
- (写真左) 歴史的な町並みを残す湯浅町。写真は北町にある醤油醸造の伝統を受け継ぐ手づくり醤油屋「角長」さん(正しい表示は⻆長)。江戸末期に建立され、黒板張りの壁や繊細な連子格子の窓が当時の風情を伝えています。
- (写真中).角長さんのお店の裏手の「大仙堀(だいせんぼり)」からは、蔵が立ち並ぶ昔ながらの建物をそのまま見ることができ、醤油船が行き来する当時の活気にあふれた様子を感じさせてくれます。
- (写真右).慶応二年(1866年)建立の仕込蔵として使われていた「角長職人蔵」。実際に使われていた醤油醸造道具が数多く展示されています。
- (写真左)明治時代に建立された「甚風呂」。幕末の時代から四代にわたり昭和60年まで営業されていました。今は歴史資料館として公開され当時の様子がうかがえます。
- (写真中)江戸後期の建物の暖簾をくぐると紀州名産金山寺みそのお店「太田久助吟製」さん。2〜3ヶ月じっくり自然醗酵させ、味と色をがんこな位に守っているんですよと太田加寿代さん。
- (写真右)角長のお店では、お土産には濁り醤(にごりひしお)640円(税込、180ml)と、生駒美江子さんに勧められました。
- (写真左)「太田久助吟製」さんの向かいに「行灯ミュージアム」の看板が。中には昨年度の“ゆあさ行灯アート展”の優秀作品がずらり。柔らかい明かりを見るとほっこりした気分になります。
- (写真中)熊野街道沿いの町として発展した道町には、高さ2mほどの「立石道標」があります。この地点が熊野古道と高野山への道の分岐点であったことを示しています。
- (写真右)香ばしいお醤油の香りが漂う北町を散策していると、民家の格子窓にいくつかの「せいろミュージアム」に出会います。これは、住民の方が所有している民具や昔のアクセサリー、生活小物を醤油づくりに使われた“せいろ”を再利用して展示しているものです。
- 「湯浅醤油(有)」さんで醤油工場見学。案内していただいた梅本美穂さんに、醪(もろみ)は1年から2年寝かせてから搾るんですよ、とお聞きしてびっくり。最後に「蔵カフェ」で“醤油ソフトクリーム”(350円税込)をいただきました。
由良町
コバルトブルーの海と白亜の岸壁 “日本のエーゲ海”を快適ドライブ
和歌山県由良町は湯浅町・広川町の南隣にあります。他ではお目にかかれない石灰岩の白亜の岸壁に包まれ、日本有数の景勝地として知られています。その中心となるのが「白崎海洋公園」。公園全体が白い石灰岩で囲まれ、青い海と氷山のような白い岩のコントラストが美しく、中に入ると異国にいるような感覚になります。3月から7月ごろまではウミネコの大群が公園全体に飛来するので見ものです。海岸線を走らせると、十九島、黒島などの島々や大小の入り江が連続するリアス式の海岸美をたっぷり楽しめます。他にも数億年の謎を秘めた戸津井鍾乳洞、“醤油発祥・味噌伝来・虚無僧尺八”の元祖寺として有名な「興国寺」など見逃せないスポットが待っています。
- (写真左)白崎海洋公園は、ぐるり周りが真っ白な石灰岩の岩。紺碧の海に浮かぶその様は、見たことのない景観です。中には、道の駅やダイビングなどマリンレジャーの拠点となるクラブハウスのほか、「オートキャンプ場」、「ログハウス」、「コンテナハウス」もあります。
- (写真中)公園内の展望台では、石灰岩の白と海の碧さのコントラストの美しさに目を奪われます。
- (写真右)白崎海岸の象徴とも言える「立厳(たてご)」。巨大な海食洞は間近で見ると圧倒されます。
- (写真左)公園内のシャクシの浜付近から十九島方面。美しい空と海にステップ ワゴン SPADAが映えます。
- (写真中)「戸津井鍾乳洞」の駐車場から。向かいの「十九島(つるしま)」と戸津井大橋を望む景観が美しい。
- (写真右)2億5千万年以上前のペルム紀の石灰洞穴「戸津井鍾乳洞」。約100mですが、腰や首をくねくねしないと通れない所もあり“地底”探検が楽しめます。
- (写真左)「この辺りのは薄くて食べやすいよ」と声をかけてくれたのは、衣奈(えな)海岸でワカメを干していた中長さん。
- (写真中)「興国寺」には、高さ2.4m幅2.7mの大天狗のお面が奉られています。豊臣秀吉の兵火で焼かれた伽藍を天狗が一夜にして建立したという伝説からです。と「ゆら語り部クラブ」の大野治さん。
- (写真右)「興国寺」法堂で厳粛にお参りしました。内部には本尊の釈迦如来像が安置されています。
県道24号線の白崎海洋公園近くの高台から「十九島」を望むと、その姿があるキャラクターが寝そべっている様に似ているところから、この島は“スヌーピー島”と呼ばれています。
広川町
162年前の大災害を乗り越えた防災の町
1854年安政地震大津波が広村(当時の地名)を襲った際、濱口梧陵は「稲むらの火」を灯し村人を救い、大堤防築堤で広村の防災百年の計を成し遂げました。この実話をもとに作られた「稲むらの火の館」。 浜口梧陵記念館では、梧陵の生い立ちから晩年までをたどる貴重な資料が展示してありました。
- (写真左)梧陵記念館のお隣の「津波防災教育センター」では、防災体験室、稲むらの火展示室、3D津波映像シアター、津波シミュレーションなどがあり防災教育に役立てています。
- (写真右)館長の﨑山光一さんに案内していただきました。
フグより美味しいと評判の「幻の魚」コラーゲンたっぷりの「紀州本九絵」
水揚げが少なく「幻の魚」と呼ばれる『クエ』。荒磯を悠然と泳ぐ孤高の巨大魚を1本釣りした「紀州本九絵」を心残すことなく堪能させていただけるのが「観光旅館 美奈都」さん。最低でも10kg、大きいものになると50kg超の天然モノにこだわったクエのフルコースをご主人の坂田貢一さんに料理していただきました。ちなみにこの日は25kgのもの。クエ三珍とご主人が名付けた『胃袋、鱗の唐揚げ、肝』に始まり、薄造り、煮付け。そして鍋の王様と言われるクエ鍋。脂が乗っているのに飽きない上品な味わいを堪能し尽くしました。雑炊も絶品で何杯もおかわりしてしまいました。衣奈海岸にある穴場宿です。
- この日は、クエフルコースを料理していただきました。冬の旬の味覚をたっぷり満足。天然クエは3月いっぱいまでなのでお早めに。
観光旅館 美奈都
住所/和歌山県日高郡由良町衣奈862-2
お問合せ/0738-66-0052
チェックイン/15:00 ~19:00 チェックアウト/10:00
料金/1泊2食付き、1室2名様使用、大人1人当たり8,000円より(税別)※クエフルコース(11月〜3月)18,000円(税別)
「わかやまご当地グルメ30選」を味わう 紀州湯浅の極上グルメ「しらす丼」
湯浅は和歌山県でしらすの水揚げ第1位。紀伊水道でとれたて新鮮なしらすをたっぷり使った「しらす丼」が食べたくてお邪魔したのが湯浅駅前にある「かどや食堂」さん。湯浅町で最初にしらす丼を始めたお店だそうです。見た目はシンプルですが、しそと海苔の風味そしてこれでもか!と乗せたしらすは、食欲を倍掻き立ててくれます。カルシウムたっぷりでまさに「健康を食べる和食」。オリジナルのタレも抜群の美味しさ。
- (写真左)釜揚げしらす丼(みそ汁付)720円。
- (写真右)手前が、生しらす丼(みそ汁付)1100円。 具材は別々の器にあり、食べる直前に丼にしていただきます。
かどや食堂
住所/和歌山県有田郡湯浅町湯浅1109-1
お問合せ/0737-62-2667
休業日/月に1回不定休※年末年始は休み
営業時間/水・日は、11:00~14:00(L.O.14:00)、月・火・木~土・祝日は、11:00~14:00、17:00~21:00(L.O.20:00)
まるで地中海!白と藍の別世界 ゆったりリゾートで味わう白崎
白崎海洋公園の中におしゃれなカフェを発見!白い海岸線を遠目に眺めるとこの辺りが“日本のエーゲ海”と呼ばれるのも納得。さあ、広いデッキでランチタイム!手作りワッフルやパスタ、地元の新鮮な野菜と特産物をいっぱい楽しみました。
- 手前から、ワッフルランチ 大海老グラタン1,330円、ワッフルランチ ツナとたっぷり白菜のトマトパスタ980円どちらもワッフルセットで、ミニサラダ、ドリンク、ワッフル食べ放題付き!!写真のドリンクは別注で手前から「海に浮かぶ白崎海岸」530円、「ラズベリーソーダ」500円※(上記全て税別)※ご注文は、平日15:45、土日祝は16:45まで