
九州までドライブ!
と、聞くと少し尻込みする方もいらっしゃるのではないでしょうか?
愛媛県伊方町の三崎港から大分市の佐賀関港は、実は国道197号線の海上区間。四国と九州を結ぶわずか31kmの最短航路をフェリーが70分で運んでくれます。
以外と近い九州・大分。今年の夏は思い切って雄大な九州の大自然を楽しみに行ってみませんか。
九重町
豊かな自然からの恩恵を 標高1000mの高原で
雄大な自然の中に見どころ満載 日常とかけ離れた発見に癒される
九州上陸後、東九州自動車道•大分ICから大分自動車道を経て約40分で大分県中西部にある「九重町(ここのえまち)」に到着。九州の屋根と呼ばれる1000mを超える峰が幾つも連なる『くじゅう連山』の北側に位置し、町の約半分は『阿蘇くじゅう国立公園』に指定されています。大部分は山林や原野に覆われる山間の町ですが、清々しい山々の勇姿や美味しい水など自然の恵みにあふれる町です。
大分県は何と言っても温泉で有名です。九重町も九重“夢”温泉郷とも言われ、広大な大地の随所に温泉が湧き出ています。また日本屈指の高原美を誇る『飯田(はんだ)高原』には、滝や渓谷の美しい景観やのどかな牧場風景が広がっています。町を走る『四季彩ロード』や『やまなみハイウエイ』沿いには地元の食材を堪能させてくれる農家レストランやスイーツのお店もあり要チェックです。
- (写真左)九重町のWEB動画でも有名な「龍門の滝」。落差26m、幅40mの豪快な二段落としの滝です。新緑、紅葉の名所でもありますが、夏ともなると滝滑りの名所として子供達の歓声に包まれます。
- (写真中・右).『天空の散歩道』と呼ばれる「九重“夢”大吊橋」。長さ390m、高さ173m、幅1.5mのこの橋は、歩道専用として『日本一の高さ』を誇る吊橋です。遠くに『くじゅう連山』が横たわり足下には鳴子川渓谷の原生林が広がります。訪れた日も多くの外国からの観光客が見られ、完成してから10年で来場者は1,000万人を超えています。大人が1,800人乗っても大丈夫だそうです。
いつまでも眺めていたくなる 車を停めて時間を忘れさせる景観
『やまなみハイウエイ』(県道11号線)は、大分県由布市と熊本県阿蘇市を結ぶ全長約50kmの絶景ドライブルートです。“日本百名道”にも選ばれています。車を走らせると幾つも絶景ポイントがあり、車を停めて『くじゅう連山』や広がる高原や湿原を見つめているだけで疲れが取れていくのがわかります。春夏秋冬季節ごとに違った表情を見せることでも知られ、年4回は必ず訪れるリピーターもいるそうです。
- (写真左)「長者原(ちょうじゃばる)」と呼ばれる九重町田野にある一帯。付近には温泉もあり、湯治客やくじゅう連山の登山者で賑わっています。
- (写真中・右)『やまなみハイウエイ』は、片側一車線ながらよく整備され快適なドライブを楽しめます。
- (写真左)長者原の中にある「タデ原(たでわら)湿原」は、面積約38ha、標高1, 000mに位置する国内最大級の中間湿地です。
- (写真中)「やまなみ牧場」では、牛がのんびり牧草を食んでいました。
- (写真右)牧場が営むジェラート店「ミルクランドファーム」。10種類の中から2つまで選べます。(300 円)。店主の岡嶋美保子さんと。
竹田市
8世紀から癒し続ける 世界屈指の炭酸泉
久住山系の東の麓にある竹田市直入町にある「長湯温泉」。風土記にも登場するというこの温泉は、『飲んで効き 長湯して利く長湯のお湯は 心臓胃腸に血の薬』と称えられ、与謝野晶子ら文人墨客に好まれ、ゆかりの歌碑も多く点在しています。ほとんどの施設が泉質の違う独自の源泉を持っています。
- (写真左)「長湯温泉」にある一風変わったモダンな建物は「ラムネ温泉館」さん。屋根のてっぺんには松の木が植えてあります。
- (写真中)手を湯につけて揺するだけで炭酸の泡に包まれます。源泉かけ流しの高濃度炭酸泉で、お風呂に浸かると全身が銀色の泡に包まれます。長湯温泉は花王の『バブ』の7倍の泡があると言い、“日本一の炭酸泉”を誇っています。長湯温泉を訪れたら、胃炎や肝臓病、便秘症、糖尿病などに効能がある“飲泉”も是非試してください。
- (写真右)漆喰と焼き杉を使った外観が自然に溶け込むようです。
数万年前の大噴火が作り上げた 大草原ならではの神秘な魅力
九重町から『やまなみハイウエイ』を南下するとくじゅう連山、阿蘇山など1,000m級の山岳に囲まれた「竹田(たけた)市」があります。市の北部の「久住(くじゅう)高原」では広大な緑のパノラマが広がっています。山、空、花などの自然鑑賞や乗馬などの体験もできます。また日本一の炭酸泉としても知られる「長湯温泉」や「竹田湧水群」に代表される名水の里としても全国に知れ渡っています。『荒城の月』のモチーフになった「岡城址」などもあり歴史ロマンも楽しめます。
- (写真左)「久住高原」は、標高約600mから1,100mに広がる高原です。あちらこちらに牧場や牧草地があります。車も少ない早朝にドライブするとこの大自然を独り占め。自然と一体化する瞬間です。
- (写真中)今回のお宿「レゾネイトクラブくじゅう」さんは、久住高原の中にあります。自然の地形をそのまま生かし、ログハウスを連ねたようなユニークな佇まいです。
- (写真右)温泉は、炭酸水素塩泉。大気に触れると茶褐色に変わります。
- (写真左)ロッジ風の素敵な部屋でしばし歓談。
- (写真中)ホテルの目の前に、「一番水」という湧き水がありました。水温が8.5℃で一般細菌が全く出ない綺麗な水です。
- (写真右)ホテル前には「星を見る丘」という丘があります。夜になれば満天の星空がお出迎えしてくれます。他では滅多に見られない貴重な体験です。
気分爽快の高原でチャレンジ! 雄大な自然が大胆にさせてくれる
『やまなみハイウエイ』を“瀬の本”で県道442号線へ左折すると「くじゅう花公園」があります。九州の中心にぽっかり浮かぶ花の村だそうで、中には地元の特産品やお土産お食事のお店もあり1日楽しめます。「くじゅう花公園」の県道を挟んだ向かいには「レゾネイト乗馬牧場」があります。こちらでは、乗馬は初めてという人でも手綱なしで牧場内を自由に乗馬させてくれます。
- (写真左2枚)「レゾネイト乗馬牧場」の馬はアメリカンクォーターホースというおとなしい馬。1歳の子供から乗馬上級者まで楽しめます。ジーンズで気軽に。初めての私たちもご覧の通り。
- (写真右2枚)「くじゅう花公園」は22万㎡の広大な土地に、春から秋にかけて500種、500万本もの様々な花が咲き誇ります。園内カート(1時間2,000円)もあります。
山間の町の城下町 今も語り継がれる歴史ロマン
竹田市は、文治元年(1185年)に築城されたとする「岡城址」がある歴史の町でもあります。近代日本を代表する作曲家「瀧廉太郎」が12歳から14歳まで暮らしていたことでも知られ、その時の思いが名曲『荒城の月』を生んだとも言われています。ま
た、岡藩時代には、政治・経済・文化の中心地として栄え、江戸時代の格式ある武家屋敷が連続して今も残り、歴史の息吹を感じさせてくれます。
- (写真左)城下町の面も持つ「竹田市」の市街地では、江戸・明治・現在へと時の移ろいの中を、そぞろ歩きしながらロマンチックな雰囲気を楽しめます。このトンネルは、「廉太郎トンネル」と言い、幅2.5m、長さ15m程の小さなトンネルです。中を歩いて耳をすますと瀧廉太郎の代表曲『荒城の月』『秋の月』『鳩ぽっぽ』のメロディーが流れてきます。
- (写真中)竹田は美味しい水が湧き出ている所が多い事で知られ、「竹田湧水群」は、日本名水百選にも選ばれています。中でも入田湧水の中の「河宇田湧水」は人気があり、この日もペットボトルをたくさん積んだ車で多くの人が訪れていました。
- (写真右)そばに、「豊かな水辺環境の碑」からも、コンコンと水が溢れ出していました。
- (写真左)市街地のあちらこちらに城下町の風情が漂い、殿町では土塀が続き当時の風情を感じさせてくれます。
- (写真中・右)瀧廉太郎が子どもの頃過ごした屋敷を「瀧廉太郎記念館」として開示しています。中には、彼の思いや交流を偲ぶ手紙や資料を公開しています。
豊後大野市
田んぼの中に突如現れる 東洋のナイアガラ
竹田市から車で15分足らずの豊後大野市緒方町の平野の真ん中に突如現れたのは、『原尻の滝』。幅120m、高さ20mの滝です。9万年前の阿蘇山の大噴火とその後の大火砕流によってできたと言われる大変珍しい大滝です。滝の前には吊り橋もあり正面からも楽しめます。旅の締めくくりに圧倒的な感動はいかがですか。
- (写真左)「原尻の滝」は、『日本の滝100選』『大分県百景』の一つに挙げられる名瀑です。平野にあるため気軽に立ち寄れ、下に降りて間近で見ることができます。道の駅もあり、帰路のドライブの一休みに。
- (写真右)滝の上には、なんと自動車が通れる道(橋?)があります。脇見運転に気を付けてゆっくり渡れます。渡りきるとそこには、見たこともない金色の世界。一面に大麦畑が広がっていました。
牧場直営の豊後牛をのんびりいただく
『やまなみハイウエイ』沿いに、鷲頭牧場直営のレストラン「農家レストラン べべんこ」があります。生産者の顔がわかる農業がしたい。自分たちが作ったものを直接届けたいとの思いで始めたとのこと。一家で心を込めて作った自家製食材メニューは評判と評価を得、2009年には農業の6次産業化で総理大臣賞も受賞もしています。ちなみに『べべんこ』とは、大分弁で子牛のことです。
- 大分県産黒毛和牛のブランド牛『豊後牛』のステーキ定食(約200g、3,980円税込み)と豊後牛コロッケ定食(1,080円)。臭みがなく香りが芳醇で甘みもあります。テラスに出ると雄大なくじゅう連山が目の前に。新鮮な空気がお料理をさらに引き立てます。
農家レストラン べべんこ
住所/大分県九重町大字南の平2407-1
お問合せ/0973-79-3110
営業時間/10:00 ~ 17:00
休業日/不定休
阿蘇の雄大な景色の前でちょっと一休み
『やまなみハイウエイ』瀬の本近くに、熊本県でロールケーキやバームクーヘンの洋菓子専門店を展開する「シェ・タニ」瀬の本高原店があります。くねくねと曲がった道を走った後の絶好のリラックスポイントです。生ケーキ約20種類からお好きなだけいただける『ケーキバイキング』が人気です。
- (写真左)手前から、チーズケーキ、木いちご、フルーツショート、デリスショコラ。ドリンクはフリードリンク(ホットコーヒー・アイスコーヒー・紅茶・オレンジジュース)
- 店長の田中徹さんにケーキのこだわりを伺いました。
- 大きな窓から阿蘇の雄大な景色を楽しめます。
シェ・タニ瀬の本高原店
住所/大分県玖珠郡九重町湯坪瀬の本628-8
お問合せ/0967-48-8077
営業時間/9:00 – 18:00(※ケーキバイキングは16:00まで)
12月~ 3月中旬(冬場)は、9:00 – 17:00(ラストオーダー16:00)
休業日/毎週水曜日
ケーキバイキング/お一人様(90分) : 1,800円 / 3才~小学生以下(90分) : 630円
時間を忘れていただく本格フレンチ
九州の屋根「くじゅう連山」のふもとにあるリゾートホテル「レゾネイトクラブくじゅう」は、動物たちや環境に配慮した自然に優しいホテル。そのレストラン「メテオ」は、天井が高いロッジ風のレストラン。大自然に抱かれたホテルでのディナー。洗練された雰囲気が、ゆったりとした気分にさせてくれます。地元の野菜や豊後牛、さらに近海のイキのいい海の幸を全てシェフが最高の味に仕上げ、とろける美味しさの本格フレンチのコースをいただきました。
- (写真左3枚)オードブルはジャガイモのブランマンジェにスープはポタージュサンジェルマン。そして白身魚のポワレ、メインはもちろん豊後牛のもも肉のソテー。もうほっぺたが落ちました
- (写真右)食事の後は、バー(談話室)でノンアルコールベースのカクテルを作っていただきました。もう少しこの楽しい時間が終わらないようにとおしゃべりに花が咲いた至福のひと時でした。