
世界遺産「宮島」は、歩くほどに驚きと出会うワンダーランド。
日本の美を世界に伝える世界文化遺産・厳島神社。
世界文化遺産として日本はもとより、世界に知られる宮島の厳島神社。古くから自然崇拝の対象として畏怖されてきた宮島に、厳島神社が創建されたのが推古元年の593年といわれています。そして、平安時代に当時安芸守に任ぜられていた平清盛の命により、竜宮城を模したといわれる、他に類を見ない海に浮かぶ寝殿造りの建物が建造されました。世界文化遺産には、厳島神社とその後に広がる弥山の原生林が平成8年(1996年)の12月に指定されました。
宮島への約10分の船旅が新鮮な感動を与える。
宮島へは、島と本土を結ぶフェリーを使って渡ります。フェリー乗り場からも大鳥居が眺められるほどの距離で、乗船時間約10分の短い船旅です。出航したフェリーは、牡蛎養殖の筏を横目に、ぐんぐんと大鳥居に近づき、海の上から厳島神社の全容を眺めることができます。弥山の深い緑に鮮やかに浮かび上がる朱色の神殿と穏やかな海に凛と立つ大鳥居は、一幅の絵を観ている様です。観光写真などで見慣れたこの風景も、実際に目にすると新鮮な感動を与えてくれます。
観光地と町家の通りが共存する宮島。
宮島で最初に驚かされたことは、厳島神社周辺が一大観光地となっていたことです。世界文化遺産に指定されているので、当然といえば当然なのですが、国際色豊かな観光客や土産物屋や飲食店がひしめく表参道の賑わいには圧倒されました。そしてもうひとつの驚きが、繁華な通りを一本それると、町家が並び昔の風情を今に伝える風景が多く残っていたことです。この町家が並ぶ道沿いにもカフェなどが点在しているので、喧騒を離れて巡り歩くのもいいかもしれません。
圧倒的な美しさを持つ宮島最高峰・弥山の自然。
厳島神社と並んで宮島観光で見逃せないのが弥山(みせん)です。弥山は標高530mあり、その430m辺りまで2本のロープウエーを乗り継いで上ることができます。約360mを一気に上がる最初のロープウエーは、眼下に厳島神社から廿日市市全域を一望できる素晴らしい眺めを楽しめます。そして、ふたつめのロープウエーからは、花崗岩の奇岩がつくりだす荒々しい弥山を眼下に、穏やかな海に浮かぶ島々が描く瀬戸の海ならではの美しい眺望を楽しめます。
伝統の味、斬新な味、そして庶民の味。
歴史同様、奥深さに感銘した宮島の旅食。
老舗旅館ならではの、心に染みる喜びを味わう。
創業1854年の老舗旅館「岩惣」で昼食をいただきました。楽しみにしていたのは、宮島名物の「穴子重(税別2,400円、税込2,592円)」です。あっさりと上品なタレをかけながらふっくらと焼き上げられた穴子が、お重いっぱいに敷き詰められ、見るからに美味しそう。お箸を進め穴子とご飯を口に運ぶと、柔らかすぎず、固すぎず、2つの素材が口の中でうまく合わさり、ひと噛みごとに穴子の旨味が広がります。また、穴子重だけでなく海の幸、山の幸を織り混ぜたお料理や旅館脇を流れる紅葉谷川の景色も素晴らしく、思い出に残る食事となるでしょう。
みやじまの宿 岩惣
お食事処 もみぢ
●営業時間/11:30~14:00(喫茶営業15:00まで)
●TEL/0829-44-2233(貸切の場合があるので予めご予約ください)
●住所/廿日市市宮島町もみじ谷
今と昔が交差する町家通りの和カフェ。
表参道のショッピング途中、ひと休みするために訪ねたのが、町家通りにある「和かふぇ はやしや」です。宮島で多く建てられている数寄屋造の建物を現代風にリメイクした店内は、白木の梁が和の雰囲気を醸しだす、落ち着いた空間となっています。カフェメニューは、あずきや抹茶を使ったスイーツやドリンクが揃い、どれも甘さが控え目となっています。メニューに多く登場する抹茶は、京都は宇治の和束から取り寄せているこだわりの抹茶だそうで、香りがよくたち、甘味と渋みのバランスが良く、スイーツに深みを与えています。
和かふぇ はやしや
●営業時間/11:00~16:30(L.O)
(土日祝は11:00〜17:00(L.O))
●店休日/水曜、火曜不定休
●TEL/080-1932-0335
●住所/廿日市市宮島町町家通504-5
広島の定番に宮島の特産を加えた牡蛎のお好み焼き。
広島名物のお好み焼きを宮島でも食べてみよう!ということで、表参道にある「お好み焼き くらわんか」を訪ねました。席に着くとさっそく、「かきそば入りくらわんか焼き(1,300円)」を注文。手際よく焼かれていくお好み焼きと香ばしいソースの香りに、食欲もそそられます。お好み焼きの中央に並べられた牡蛎は、まるまるとした大粒で、ふっくらとジューシーに焼き上げられていました。このスタイルだと、お好み焼きと牡蛎を一緒に口に入れるのも良し、牡蛎だけを食べるのも良し、ふた通りの食べ方を楽しめるんですね。