
時代を切り拓いてきた海峡、歴史と文化の十字路
山口県下関
本州と九州を挟んだ幅わずか約700mの海峡『関門海峡』。今も日に大小約700隻の船が行き交い汽笛の音や潮騒が美しい風景に彩りを添えています。中世から近世へ、近世から近代へ、日本の国が大きく変わる時にいつもこの海峡が舞台になってきました。時代を動かすエネルギーがこの海峡から生まれました。激動の時代を切り拓いてきた関門海峡の街、下関と門司は、新しい年を迎えるにふさわしい街ではないでしょうか。海峡を挟んだ街と言ってもその趣は全く違った顔を見せてくれます。本州最西端の山口県下関市だけでも様々な魅力を発信しています。港町として古くから栄えた『唐戸エリア』は、注目スポットが続々誕生し、元気いっぱいです。『門司港エリア』はレトロな建物が保存されオシャレな街に。日本の歴史が動く時、いつもここが舞台となった『壇之浦』。『長府』は、江戸時代毛利5万石の城下町として栄え、練塀や小路そして葉ずれの音が歴史を伝えています。
- (写真左)唐戸エリアの注目スポット、「はい!からっと横丁」。平成25年誕生のアミューズメントパーク。夜は施設がライトアップされ幻想的に。
- (写真中)「カモンワーフ」は、レストランや関門の海産物、お土産店などのショップが並ぶシーサイドモールです。
- (写真右)源平合戦で敗れわずか8歳で入水した安徳天皇を祀る「赤間神宮」。
- 「海響館」では、大小65の水槽に500種20,000点の水族がいます。中でも深さ6mの水槽で泳ぐジェンツーペンギンの大編隊をトンネルで眺めたり、遠くチリでの生態をそのまま再現したフンボルトペンギンやシロナガスクジラの全身骨格標本、イルカショーなど見応えありすぎです。
- (写真左)「みもすそ川公園」内にある「攘夷戦砲台跡」では100円で発射音と煙の演出が楽しめます。
- (写真中)同公園の「壇之浦古戦場跡」では源義経・平知盛両雄の像が。
- (写真右)公園向かいに、「関門トンネル人道」の入り口があります。エレベータで地下55m潜りトンネルを約400m進むと山口県と福岡県の境があります。
- (写真左)平成28年11月にリニューアルオープンしたばかりの「下関市立歴史博物館」は、古代から近世までの下関の歴史が概観できます。観光案内のパンフも充実していて長府散策のきっかけ作りにもなりました。
- (写真中)長府の中心を流れる小川「壇具川」には、人懐こい鴨が30羽近くいました。
- (写真右)長府は、『日本書紀』にその名が残る古い町。ゆっくりドライブすると、歴史を感じる風情を感じます。
- (写真左)長府の大きなお屋敷が「長府毛利邸」。22部屋もあり、明治天皇が泊まった部屋も残されています。邸内の池泉回遊式庭園は、石灯籠、楓、池などが美しく配置され最近ではパワースポットとしても注目を集めています。
- (写真右)低い白壁に囲まれた日本庭園は、背後の景色も取り入れるため。お庭を眺めながら抹茶とお菓子もいただけます(500円)。
- (写真左)鎌倉時代創建の由緒ある二重門の山門が目印の「功山寺」。高杉晋作が伊藤俊輔らと倒幕に挙兵した寺としても有名です。
- (写真中)庭園内には、「高杉晋作回天義挙像」が雄々しく建っています。
- (写真右)「唐戸市場」。金、土、日、祝日には「活きいき馬関街」が開かれ、にぎり寿し、海鮮丼、ふく汁などがその場で味わえます。
元気な歴史を今に活かす街「門司港レトロ」
福岡県門司
門司港は、明治の後半から横浜、神戸に並ぶ国際貿易港として栄えてきました。今も大正、昭和の建物が保存され当時のエキゾチックな雰囲気を醸し出しています。今これに新しい物が混じり合い古くもあり、新しくもある不思議な魅力を持ち合わせている街。それが『門司港レトロ』と言われる今の門司港です。商業施設も充実しており、ミュージアムや美術館など歴史やアートを感じる場所が数多くあります。車を降りて、この『門司港レトロ』をあちこち散策すると意外なところに意外な出会いがあります。今や門司港発祥のご当地グルメ『焼きカレー』のお店や、バナナの叩き売り発祥の地というのもあります。日本で最大級の歩行者専用の跳ね橋、関門海峡ミュージアムの『海峡歴史回廊』では個性あふれる人形で歴史を表現しています。往年の実物の車両に触れ、運転シミュレーターもある「九州鉄道記念館」など、狭いエリアですが一つ一つの施設が輝き、時が経つのを忘れてしまいます。
- (写真左)下関唐戸桟橋から船で10分のところに浮かぶ「巌流島」。対峙する『宮本武蔵と佐々木小次郎像』からは、様々な船が行き交う関門海峡の雄大なパノラマが楽しめます。
- (写真右)門司港レトロのハーバーデッキ付近から。背後は「旧門司税関」。明治45年建造の練瓦造瓦葺屋根の建物。
- (写真左)「ブルーウイングもじ」は1日6回、橋が音楽に合わせて跳ね上がります。「恋人の聖地」にも選定されていて、跳ね橋が閉じて最初に渡ったカップルは一生結ばれるそうです。
- (写真中)夜の「ブルーウイングもじ」はライトアップされロマンティック。
- (写真右)「門司港駅舎」保存修理工事現場では、見学デッキが設けられ工事の様子が見られます(無料)。夜になると工事塀には、門司に住むイラストレーター黒田征太郎さんの作品がライトアップされていました(2018年3月末まで)。
- (写真左)「プレミアホテル門司港」の玄関にて。イタリア建築界の巨匠アルド・ロッシによる門司港レトロのランドマークです。
- (写真右)国の登録有形文化財に登録された旧九州鉄道本社を利用した「九州鉄道記念館」。鉄道の歴史を学んだり、C59型、9500型など列車の実物展示や、ミニ鉄道もあり子供連れで賑わっていました。
- (写真左)大正10年に三井物産の接客・宿泊施設として建てられた「旧門司三井倶楽部」。大正モダンが色濃く反映されています。なんとあのアインシュタイン夫妻も宿泊されたとか。
- (写真中)昭和4年に建てられた門司税関1号上屋をリニューアルして誕生した「旧大連航路上屋」。北九州市と大連市を結んだ航路の資料などが展示されています。
- (写真右)同じ建物内にある「松永文庫」。日本映画の大ファンの松永武氏が集めた貴重な映画の資料を一般公開しています。
- (写真左・中)関門海峡の博物史を壮大なスケールで体感できるのが「関門海峡ミュージアム」。大正時代の街並みや路面電車、バナナの叩き売りなどを再現した『海峡レトロ通り』(写真)や2つの不思議な透過型のスクリーンに海峡の伝説を映像で映し出す『海峡アトリウム』。海峡誕生から近代までの歴史上の名場面を人形アートで再現した『海峡歴史アート』など見どころ満載です。
- (写真右)「旧JR九州本社ビル」内の『関門海峡らいぶ館』では関門海峡の情報を知ることができます。
門司
見たこともない美しい夜景を格調高い空間から眺め、大人の時間を楽しむ
「プレミアムホテル門司港」の最上階にあるバー「テンポ」。バーカウンターからはライトアップされた関門橋や対岸の下関市街の夜景が広がり、いやがうえにも気分が高まってきます。美しい夜景を眺めながら格調高い雰囲気の中でいただくお酒とお料理。冬季にはアンティークな暖炉に火が入れられます。大切な人や自分自身にじっくり向き合える、ここでしか味わえないとってもラグジュアリーな時間を過ごせそうな気になります。
- (写真左)門司の喫茶店のまかないから発祥したと言われる門司名物焼カレーもしっかりあります。写真は「門司港名物焼カレー(1,300円税込)」。
- (写真中)バーテンダーの柳本麻衣さんにオリジナルカクテルを作っていただきました。
- (写真右)人気の朝食バイキング。新鮮な野菜や分厚い銀鮭など朝から超ハッピー。
プレミアホテル門司港
住所/福岡県北九州市門司区港町9−11
お問合せ/093-321-1111
バー「テンポ」
営業時間/19:00~23:30(L.O.23:00)
休業日/無休
下関
旨味あふれる虎ふくコースに舌鼓、至福の時間を堪能
名前の通りの国民宿舎「海峡ビューしものせき」さん。全室から関門海峡が望める最高の場所にあります。瀬戸内国立公園火の山山麓にあり、海峡を行き交う船の汽笛を聞きながら海峡にまつわる歴史ロマンに思いを馳せ心と体を癒す・・・こともできます。でも何と言っても下関と言えば冬の食の王様『ふく』!下関ではフグのことを福を招くようにと『ふく』と言います。レストラン アヤソフィアで王道のふく刺しから出汁の効いたふく雑炊までいただき大満足でした。
- ふく一番プラン(要予約3日前まで)。お一人様(1泊2食付き)16,740円から。
下関市営国民宿舎 海峡ビューしものせき
住所/山口県下関市みもすそ川町3-58
お問合せ/083-229-0117
城下町 長府(下関)
城下町散策で見つけたとっても隠れ家なカフェ。ほっと一息つけるスポット
せっかく下関まで足を運んだら、素敵なお店を訪ねたいと思ったらお薦めなのが今回ご紹介する「桂のさと」さん。長府の壇具川沿いにあり、周りの木々に囲まれ正に隠れ家のようなカフェです。土塀に囲まれたお店に入り外に抜ければ、城下町の風情を庭越しに眺めながらのテラスが。お客さんは地元の方や観光客ですがみなさんどことなく上品な感じがしました。城下町の散策のついでの一息にいかがでしょうか。
- ガトーショコラと松の実と干しイチジクのケーキ(それぞれドリンクセットで900円)。