
しまなみ海道から船に乗って島から島を行ったり来たり、小さな旅で大きな発見!
しまなみ海道を渡っていると目に入る、瀬戸内海にのんびり浸っているような大小のいくつもの島。
いつも気になっているそんな島に今回はちょっと寄り道してみました。
島々が織りなす 人と自然のハーモニー
上島(かみじま)町は、瀬戸内海のほぼ中央、愛媛と広島の間に点在する芸予諸島の中でも、愛媛県側で最も東に位置しています。瀬戸内海に浮かぶ18の島々から成り、魚島と今回訪れた弓削島(ゆげじま)、生名島(いきなじま)、岩城島(いわぎじま)の4つの地域を併せて、上島四兄弟とよびます。広島県尾道市因島に近く、最も近い生名島の場合、その間はわずか300mで、生活は因島の影響が大きいようです。生名島は「いきいきスポーツの島」、弓削島は「人と自然と歴史文化が共存する島」、岩城島は「青いレモンの島」と、個性あふれる島々です。
上島町の玄関口 生名島へは3分の船旅!
「しまなみ海道」因島南ICを降りて約10分、因島土生(はぶ)港に到着。いよいよ目指す上島町へ。生名島は、上島町の玄関口とも言われフェリーでわずか3分、対岸の因島の目の前の島です。このフェリーは普通、乗客は車に乗ったまま乗降します。スポーツ合宿施設が充実している「いきなスポレク公園」やキャンプ場のある「サウンド波間田」、住民が運営する「いきな島一周マラソン」があり、いきいきしたスポーツの島です。アテネや北京オリンピックで活躍した槍投げの村上幸史選手は、この島の出身です。
人と自然と歴史文化が 共存する島
生名島から佐島という小さな島に掛かる生名橋を渡りさらに弓削大橋を渡ると、海岸線が美しい弓削島です。ひょうたんのような形をした小さな島で、この辺りは瀬戸内海国立公園になっています。県の名勝地に指定されている「法王ヶ原」の美しさや、町中に残る昔ながらの町並み。鎌倉時代に京都東寺の荘園となり塩を年貢として納めていた歴史。小・中・高・商船高等専門学校がある文教の島としての一面もあります。
写真は法王ヶ原にある「弓削神社」。弓削道鏡の言い伝えが残っています。また、法王ヶ原は、古くは海の玄関の一つとして重要な場所であったためか、弓削神社の鳥居は参道ではなく、海側にあります。
レモンの香りに 島中が包まれる
弓削島を後にもう一度弓削大橋、生名橋を戻りフェリーに乗って因島へ。土生港/中央桟橋から岩城島/長江港へフェリーで13分。島に着くなり、柑橘系の爽やかな香りが。この岩城島は「青いレモンの島」として柑橘類の栽培が盛んな島。道路脇の至る所にレモンやみかんが瀬戸内海の日差しをたっぷり浴びていました。このレモンの搾りかすを食べさせて育てたレモンポークや防腐剤やワックスを使っていないので水洗いするだけで皮まで食べられるほど新鮮な柑橘類を使った料理の美味しかったこと!
私たちとっては、ご馳走満喫の島でした。
レモンスイーツがいっぱい。いわぎ物産センター
岩城港の待合所内の「いわぎ物産センター」は、島内の農産物、海産物の宝庫。地元農家が毎日穫れたての作物を思い思いの値段で売っていたり、センター特製のスイーツやジュースは手作り感たっぷりの濃厚な美味しさでした。
瀬戸内海の真ん中の島ではじける笑顔と舌鼓
地元の看板「でべそ」のおしゃべりで最高に楽しいひと時!
岩城島「レモンの散歩道」の途中に、お目当ての「でべそおばちゃんの店」がありました。地元レモン農家のお母さんたちが開いた農家レストラン。なんともユーモラスなネーミング!実は「でべそ」とは島の方言で「でしゃばり」の意味だと、メンバーの中の人気者、80歳になる「ちいねえ」こと佐野サチコさんに教えていただきました。「レモンにこだわっとるけんね。とんだ(豚んだ)レモンは中華ダレで食べてよ」と軽妙なおしゃべりに思わず笑みがこぼれました。用意するのに4時間かかるという、レモンづくしのレモン懐石は、最後まで「初恋の味」がしました。
●でべそおばちゃんの店
住所/愛媛県上島町岩城3057 営業時間/11:00~14:00 TEL/0897-75-2843 定休日/不定期(お盆、お正月)
予約/完全予約制(5日前までに電話してください)
商店街に漂うソースの匂いには勝てません!
フェリーの乗り継ぎの空き時間に因島土生商店街を探索していると、なんとも言えないソースの焼けた匂い。誘われたのは「越智お好み焼き店」。因島だけでお好み焼き屋さんは50件もあって、お好みアイランドとも言うんよと店主の越智博美さん。広島風のお好み焼きと焼きそばをいただきました。
写真左:焼きそば550円、写真右:肉玉うどん550円。
●越智 お好み焼き店
住所/尾道市因島土生町1902-3
TEL/0845-22-0932
営業時間/11:00~17:00
定休日/木曜日
素朴だけどパワフル 。おもてなしの島のカフェ
島散策をしていると道路沿いに「しまでCafé」の看板。このお店は人と人、人と自然のつながりを大切にしながら生活する仕組みづくりを!と立ち上げた「(株)しまの会社」が運営するアンテナショップ。島の素材を使ったしまブランド商品の開発や販売も。島のお母さんたちが島の野菜や果物、新鮮な魚介類を使って丁寧に作る島ごはんを味わえます。野草・海藻(摘み菜)づくしのランチもおすすめです。
●しまでCafé
住所/愛媛県上島町弓削下弓削830-1
営業時間/9:00~18:00(L.O17:30)
TEL/0897-77-2232
定休日/火曜日
瀬戸内の幸を地中海気分で堪能!
お楽しみの夕食は、弓削島フェスパ内のレストラン「イル・マーレ」。いぎす豆腐、お造り、レモンポークスペアリブなどの地元で穫れた新鮮な食材を、シェフが遊び心たっぷりに料理してくれます。白で統一された店内でいただくと、そこはまるで地中海のリゾートレストランのようでした。