
みかんと、魚と、ちゃんぽんと、かまぼこの町、八幡浜(やわたはま)探訪
「みかん」と「ちゃんぽん」と「お魚」とそして、穏やかな海と青い空。
もちろん笑顔もいっぱいの町でした。
活き活きとした新しい息吹と、守られ育ててきた伝統が交差する
大洲市から国道197号線を走り「夜昼隧道」と言う長いトンネルを抜けると、いよいよ目指す八幡浜市です。所々にみかん畑が見えてきます。とりあえず港を目指し車を進めると見えてきたのが、道の駅・みなとオアシス「八幡浜みなっと」です。地域の素材を活かした産直・物販・飲食施設「アゴラマルシェ」、八幡浜漁港に水揚げされた新鮮な魚を直売する「どーや市場」、「みなと交流館」などで構成された八幡浜市のシンボルです。昨年の4月に出来たばかりの施設でどこもかもピッカピカ。八幡浜でしか味わえない物が沢山あって魅力たっぷりのスポットです。おしゃれなトイレも必見ですよ。
次に訪れたのが創業大正5年という「梅美人酒造」さん。四国の清らかな水と、伊予南予の明るくおおらかでキップの良い風土から生まれた清酒で有名ですが、見所は何と言ってもその建物。敷地内の5カ所の建物が平成16年に国の登録有形文化財に指定されたそうです。社長の上田英樹さん直々に敷地内の文化財や蔵を案内していただきました。昔から使われている井戸を覗いたり、役人への接待に使ったと言う部屋など、思わず「へ~」の連続でした。
見渡す限りみかんの段々畑、見下ろす宇和海の美しさに感動
海沿いの道を南下すると、見えてきたのが凄い広さのみかんの段々畑。ここ川上町白石地区は、宇和海に面し、リアス式海岸のため山々が海に迫り平地が少なく、みかん園は、石を積み上げた段々畑が標高300m近くまである地域もあります。太陽の光、そして海と石積みからの照り返しによる「三つの太陽光」で育ったみかんの美味しさは抜群で平成8年には最高峰の天皇杯も受賞しているほどです。
みかんを堪能した後は、駅前にある「谷本蒲鉾店」を訪ねました。創業100年の伝統あるお店です。トロール漁船基地で水揚げされる何百種と言う魚の中で商品になりにくい魚を原料として作るじゃこ天やかまぼこは県の「伝統的特産品」にも指定。工場見学や製造体験もできます(要予約)。
文明開化の音がするレトロな雰囲気と今なお残るハイカラな面影を散策
愛媛で文明の明かりが初めて灯った町を見たくて保内町に出かけました。町を流れる宮内川を少し遡ると見えてきたのが昭和8年建造当時の面影が残る美名瀬橋。橋の背後には、レトロな赤レンガの倉庫。東洋紡績(当時の宇和紡績)の建物で、何と大正3年頃の建設。壁にうっすらと残る「場工石之川績紡洋東」の文字を見つけた時は感動ものでした。横の川沿いには、木道のような遊歩道が。横一列に並べられた板が木琴のように見え、地元の人には「もっきんろーど」の愛称で親しまれています。
凄い建物がある、と言うので保内町から県道28号線を北上し向かったのが「八幡浜市立日土小学校」。体育館の地下の駐車場に車を止めると、運動場の向こうに薄い緑と白のカッコいい建物が山間に浮かんでいました。1956年に当時市の職員であった松村正恒氏の設計により建てられ、改修を重ねた後2012年に重要文化財に指定されたそうです。今でも多くの建築家や学生が訪れるそうですが、ガラスをふんだんに使った窓や、広くてなだらかな階段、向こう側が筒抜けになった下駄箱など、素人の私たちでも思わずうなってしまう新しさがありました。
瀬戸内海と宇和海を隔てる漁場から
穫れたての海の幸とご当地名物を堪能!!
八幡浜ならではの海の幸の贅沢グルメ
八幡浜にやってきたからには、新鮮なお魚を!と言う事で訪ねたのは「浜味館・あたご」さん。新鮮なお魚と言っても、お目当てはお刺身ではありません。なんと贅沢に「しゃぶしゃぶ」でいただくのです。正式名は「愛媛 佐田岬 海鮮活(かいせんかつ)しゃぶ」と言います。さわら、あじ、かぶとえび、ハモなど、コリコリとした食感が何とも言えない豊かな気持ちにさせてくれました。
(※お魚は季節のより変わります。お問い合わせください。)
(左・中)あじのタタキ寿司」(1400円お吸い物付)。身の引き締まった一本釣りのアジの薄切りとミョウガの取り合わせは、抜群の相性でした。
(左・下)特別に作っていただいた「さわらのロースト」。カリフラワーのソースに銀杏、長いも、ネギを合わせ春菊と一緒にいただきます。
(右・下)一番人気の「鯛めし膳」(1280円)。鯛の刺身をたっぷり乗せた、言わば贅沢卵かけ御飯。食感は絶品!
【浜味館・あたご】
●住所/愛媛県八幡浜市船場通り379-1
●お問い合わせ/0894-22-3322
●営業時間/11:00~21:00(オーダーストップ20:30)
●浜味館あたご船場通り店:無休
●あたご銀座店:毎週水曜日
●HP/http://www.dokidoki.ne,jp/home2/atago/
地元食材を使ったここでしか食べられないイタリアン
「地産地消」をコンセプトに、八幡浜の新鮮な食材を使ったイタリアンが楽しめる「アマルフィ」におじゃましました。地元で生まれ育ったシェフが毎朝市場に出向き、幻のエビ(スカンピ)や真鯛、クエなどの魚介類を、その日に揚がったものから厳選して仕入れているそうです。早速、シェフおすすめのパスタをいただき、至福の時間を過ごしました。
【イタリアンレストラン アマルフィ】
●住所/愛媛県八幡浜市昭和通1460番71-1F
●お問い合わせ/0894-29-1188
●営業時間/ランチタイム11:00~15:00
(L.O.14:00)ディナータイム17:30~22:00(L.O.21:00)
●定休日/月曜日(祝日の場合翌日)
今や全国区!八幡浜のソウルフード
人口約4万人の八幡浜市には、メニューに「ちゃんぽん」を出しているお店がなんと50軒以上あります。中でも八幡浜ちゃんぽんのはじまりと言われる昭和23年創業の「丸山ちゃんぽん」さんに寄りました。素朴な店構えとこだわりの味に、お店のあたたかいこだわりが伝わってきました。
「丸山ちゃんぽん」おすすめは、写真下の「特製ちゃんぽん」(650円)と写真上・手前の「あんかけ焼きそば」(650円)。まろやかな味が口の中に広がります。B/お腹も心もポッカポカ(笑)。