
早明浦ダムの周りには、日本の原風景である里山の魅力がいっぱい。
ぐるぐる回ってきました。
「土佐れいほく」地域は、高知県のまん中にある大豊町、大川村と今回訪れた本山町、土佐町の4町村で成り立った地域です。JR線や高速道路も走り山間部の中では交通の便もよくドライブするにはおススメのポイントです。自然に触れて里山の豊かな暮らしを味わったり吉野川の両岸に広がる棚田に感動したり、吉野川へ水を育む源流の渓谷で遅い紅葉を楽しんだり…見どころいっぱい。感動いっぱいでした。
四国の水瓶、早明浦ダム。 そのスケールの大きさ、美しい雄姿に圧倒。
早明浦ダムは、高知県土佐郡土佐町田井と高知県長岡郡本山町吉野にまたがり、吉野川の河口から140kmの位置にあります。
西日本一の規模を誇り、「四国の水瓶」として、四国4県の暮らしや産業を支えています。洪水から町を守ったり、川の生き物を育んだり、必要なときに水を供給したり、電気を作ったり。静かで雄大な湖畔を眺めていると、まさに「四国のいのち」の息吹を感じさせてくれました。
訪れた時は、紅葉が映えた水面と澄んだ風が心を癒してくれましたが、湖畔沿いは春は桜、初夏にはアジサイと四季折々の彩りを見せてくれます。また、湖面ではウォータースポーツやバス釣りなども楽しめます。
国の天然記念物、県の天然記念物、見どころ満載の里山。
ダムから汗見川沿いの道を約30分。到着したのは、透明度が高くアユやアマゴの住む清流として有名なせせらぎや、県の天然記念物である枕状溶岩の露頭地も見られる汗見川渓谷。景色も鮮やかで空気も澄んでいて、紅葉の里山は二人を優しく包んでくれました。この辺りは「清流ロマンチック街道」とも言われ絶景ポイントが至る所にあり、カメラは手放せません。
俳句の道あり、文学館あり、歴史と文化の香りが漂う町。
山里の秋を堪能した私たちが次に向かったのは、大原富枝文学館。旧簡易裁判所を改装して作られた趣のある建物です。大原富枝は、代表作「婉(えん)という女」で有名な高知県長岡郡吉野村(現本山町)出身の作家。87歳で逝去するまでに数々の作品を残し、勲三等瑞宝章、芸術院賞・恩賜賞を受賞しています。文学館では、大原富枝の生涯の歩みや「婉という女」の生原稿、親しい作家に送った書簡など、貴重な資料が展示されていて「ふるさとの温もり」が感じられ豊かな気持ちになりました。
文学館を後に、さらに国道439号線を西に行くと「桂月館」の看板が。向かって行くと「土佐酒造株式会社」の酒蔵がありました。「桂月館」はその酒蔵の奥の土蔵造りの建物でした。
「桂月館」は酒と旅をこよなく愛した高知県の生んだ紀行作家大町桂月を偲んで造られた酒蔵文学館です。桂月の作品や掛け軸、額、写真、図書などの資料が多数展示してありましたが、なんと言っても大町桂月年表を見て、その自由奔放、天真流露な生き様に思わず笑い、いや感動いたしました。
地元産品あり、こだわりの食材あり、嶺北は、新鮮が満載。
「本山さくら市」は国道439号線沿いの大きな看板ですぐに分かります。ここでは、毎日新鮮な野菜が嶺北各地から届くとの事で、早速手に取るとなるほどピチピチ、シャキシャキでした。他にも特産品の棚田米や原木椎茸、野菜苗や花苗もありました。地元のベーカリーで有名な「米米ハート」の米粉で作った食パンや菓子パンも見逃せません。
絶景に息をのみ、自然を存分に味わい、嶺北の歴史や文化に感激し、新鮮で美味しいものをたっぷり堪能した旅。また毎日に少し疲れたら何度でも行ってみたい里山でした。
里山の食材はお肉も野菜もスイーツもお酒も大満足。
ゆったりした時間を贅沢に過ごせます。
一口食べれば食べるほど自然の中へ。
土佐町の美しい棚田を眺めながら、のんびりドライブしていると、お目当てのカフェ&おかし工房「ぽっちり堂」が見えてきました。お店に入ると思わず「かわいい」と言ってしまったお菓子や、イラストがちりばめられたパッケージや包装紙が。これらは京都の美大で学んだ奥様の川村圭子さんの手作りだそうです。さっそく目の前の渓流を眺めながら地元の食材にこだわった手作りのスイーツをいただき、ほっこりしました。
山のカフェ&おかし工房
ぽっちり堂
●住所/高知県土佐郡土佐町田井2679
●TEL/0887-82-0944
●営業時間/10:00~17:00
●定休日/土曜日、日曜日
●公式HP/http://www.pocchiri.com
吉野川を望みながら土佐あかうしに舌鼓。
本山さくら市でお買い物をした後は、隣の「四季菜館」へ。ドアを開けると、ダウンライトがやさしい広々とした落ち着いたレストラン。目の前には紅葉の山と吉野川。こんな素敵な場所で本格的なヨーロッパ料理が味わえるなんて感動!シェフのシンプソンさんは、スコットランド出身でヨーロッパで活躍された後、本山町出身の千賀子さんと結婚され、この地へ。本山町を中心とした里山の食材にすっかり魅了されたとの事。さすが、洗練された美味しさでした。
写真上は、土佐あかうしステーキセット(土佐あかうしのステーキ(キノコパイ付、キノコデミグラスソース)、旬の野菜のつけ合わせ、サラダバー、パンまたはライス、スープ)2,700円。土佐あかうしハンバーグセット1,500円もおすすめ。
四季菜館
●住所/高知県長岡郡本山町本山582-2
●TEL/0887-76-4337
●営業時間/11:00~14:00
●定休日/月曜日
湖のほとりでのんびり。旅の疲れをいやす憩いの宿。
今回お世話になった宿は、早明浦ダム湖畔にたたずむ「さめうら荘」。ドアを開けるとまず目に飛び込んできたのが、イノシシの剥製。びっくりしていると、この辺りはたぬきもたくさんいますよ、と支配人の西村さんがニコニコ顔で教えてくださいました。お部屋からはさめうら湖が一望でき、晩秋の湖畔をぼんやり眺めていると、ドライブの疲れはどこかへ行ってしまいました。お食事は、土佐あかうし、土佐ジローなど地元の食材をふんだんに使った料理をいただきました。また、この宿には美容に効果がある「ミルキー風呂」もあります。
写真の左のメニューは、土佐あかうしサーロインステーキ(200g)(ライス、サラダ、スープ付)2,800円。右は、土佐ジローねぎソース(ライス、サラダ、スープ付)1,050円。
さめうら荘
●住所/高知県土佐郡土佐町田井182
●TEL/0887-82-1020
●営業時間(食堂)/11:00~20:00
●定休日/第一月曜
地元の人も旅の人も一緒にわいわい。たのしいお店を見つけました。
土佐町の夜をぶらぶらしていたら、お店の中から何やら楽しそうな笑い声がきこえてきました。のぞいてみると心地良い音楽と美味しそうなにおいが。もう我慢できない、と仲間に入れていただきました。土佐のお酒「桂月」や土佐地鶏の唐揚げ、こんにゃくをはじめ、炭火焼串物、串揚げ、イタドリの炒め物など季節の山菜食材を田舎ならではの味付けで出してくれます。そして地元の人のおおらかな優しさに触れ、こころが温かくなりました。
写真はおすすめの焼きそば。2人前でこのボシュームです(1人前500円)。