
心の時計を外しに、「三方五湖」へ 海、山、歴史がゆったりとした旅へ誘う
日本海に面した若狭と言うとずいぶん遠くに感じるかも知れません。
が、地図を広げれば分かるように、今回訪れた若狭町、小浜市は琵琶湖の西北、
京都のお隣。四国からも魅力のドライブスポットです。
神秘の力が宿る五色に輝く 若狭町「三方五湖」
若狭湾国定公園を代表する景勝地。湖の周囲に低い山々が巡らされ、温和で素朴な情緒があふれています。
三方湖、水月湖、菅湖、久々子湖(くぐしこ)、日向湖(ひるがこ)の5つの湖は水質や水深が違い、
すべて濃さの違う青色に見える事から「五色の湖」と呼ばれています。
標高395mの梅杖岳を目指し、心地よい風に吹かれながら11.2kmの“レインボーライン”を登って山頂公園駐車場へ。山頂公園へはリフトやケーブルカーで約2分。眼下に広がる若狭湾から三方五湖を見渡す雄大な景色は、ココでしか味わえない感動を覚えます。
- (写真1)山頂公園で願いを書き込んで「かわらけ投げ」(100円)。エイ!
- (写真2)“水月湖”と “菅湖”を巡る「レイククルーズ」船上で、若狭町観光交流課今井里美さんと楽しくおしゃべり。
- (写真3)こちらは奥が三方湖、手前が水月湖。
- (写真4)三方五湖唯一の海水湖「日向湖」。奥は、若狭湾です。
山の恵みが今も息づく 名水百選の水に触れリラックス
若狭町には、その清冷さでもって瓜をも割ると伝えられる名水の滝があります。
その名も「瓜割の滝」。一年を通じて水温が変わらず、岩を割って濾過された湧き水はミネラルたっぷりの天然水として、多くの人が汲みに訪れていました。
吹き上がる細かい水しぶきが霧のようで、幻想的でリラックス効果抜群です。
- (写真5,6)環境省が選定した「名水百選」のひとつ「瓜割の滝」。マイナスイオンをたっぷり浴びて超いい気持ち!
- (写真7)「熊川宿」入り口。道の広さが当時の賑わいを物語っています。
古き良き若狭の歴史がここに 旧鯖街道の宿場町を探索
宿場町の面影を残す「熊川宿」。 まちを通る若狭街道は、若狭と京都を結んでいた代表的な“鯖街道”です。
街道に面して多様な形式の建物が並んでいるのが特徴です。かつては1日1,000頭の牛馬が行き来していた町も、
今では雑貨屋、喫茶店、お土産屋などが立ち並び旅人を今も昔も変わらず迎えてくれます。
- (写真8,9)「若狭三方縄文博物館」を訪ねました。学芸員の青地晴彦さんに1万年以上前の縄文人の生活や土器などの話をお聞きし、私たちの祖先の長い歴史に驚きました。
- (写真10)縄文博物館外観。小山の中に施設があるのでお見逃しなく!
御食国若狭と鯖街道が「日本遺産」第一号認定。 ここには、日本の文化・伝統を語るストーリーがあります。
遥か昔から海外の文化の玄関口歴史が薫る小浜市
落ち着いた風情が漂う「三丁町(さんちょうまち)」。手前の軒に吊るされているのは「身代り猿」と言われ、悪病や災害よけのおまじないです。
- (写真1)「箸のふるさと館WAKASA」では、伝統的な若狭塗箸からカジュアルな箸も含めて約3000種類の箸が展示されています。
- (写真2)名物の“へしこ”は「若狭フィッシャーマンズ・ワーフ」で。
- (写真3)「御食国(みけつくに)若狭おばま食文化館」で若狭塗の箸研ぎ体験(つや出しのみ:制作時間約40分900円)。伝統工芸士 加福清太郎さんに厳しく指導して頂きました。
- (写真4)1階では、食に関する歴史・伝統・文化を展示しています。食品サンプルの精巧さにビックリでした。
今も食文化を愛おしむ 御食国(みけつくに)若狭おばま
『海のある奈良』『小京都』とも言われた小浜市。奈良のお水取りのお香水は、小浜から送られています。
また古代から海産物を畿内の宮廷まで献上してきた地域で「御食国」と呼ばれています。
小浜公園の近くには「三丁町」と呼ばれるかつての花街も残り、狭い路地を挟んで、ベンガラ格子や出格子の家や料亭があり往年の面影を残しています。
美食の里が生み出した 楽しくておいしいOBAMA
『京は遠ても十八里』で知られる鯖街道の起点である小浜市。ひと塩して鯖が京につく頃には調度いい加減になったそうです。
小浜市は食を大事にする文化が今も息づいています。
塗箸職人を題材にしたNHKドラマの「ちりとてちん」ロケ地になったほか、オバマ米大統領と同呼称であることから、オバマ似顔絵の饅頭、せんべいが販売されていました。
静寂に包まれた湖畔で贅沢を楽しむ
若狭の旬をとことん味わう「水月花」
特選コース(若狭味祭り)平日1泊2食付き一人/14,040円〜(10月1日まで)
※入湯税別途150円。支配人の畠中弘恵さん。お世話になりました。
今回お世話になったお宿の「水月花」さんは、三方五湖の水月湖畔に佇むホテルです。水月湖を眺めながらの湯浴みのお次ぎは、お待ちかねのご馳走です。“若狭味祭り”と銘打った献立は、ヤリイカの姿造りや若狭の旬の海の幸の5種盛り、うなぎの若狭焼き、若狭牛のステーキ、アワビのコンヒィなど、凄いボリュームで圧倒されます。
若狭みかた きらら温泉 水月花
住所/福井県三方上中郡若狭町海山51-13 お問合せ/0770-47-1234
ドライブインにびっくりグルメ 「よしだ」
手前は「イカ丼」(1,450円)。山芋、大葉、イカがとってもいい味わいです。奥はご当地B級グルメの「ソースカツ丼」(1,000円)。
レインボーライン海山料金所近くのこのドライブインの名物はオリジナル丼でツーリングファンの間では有名です。
ドライブイン よしだ
住所/福井県三方上中郡若狭町海山70-3
お問合せ/0770-47-1438
営業時間/9:00~18:00 休業日/不定
こだわりには訳がある 「まる志ん」
(写真左)もう一つの名物「鯖寿し(手前 3,000円〜)」と「焼き鯖寿し(3,000円〜)」。
(写真中上)「おろし葛そば(700円)」「ざる葛そば(700円)」「葛そば(700円)」。
(写真右上)手前から「くずもちパフェ(600円)」「葛きり(700円)」。 ※全て税別葛のとろみでほっぺたまでとろけました。
熊川宿の中心にあり葛もち、葛きり、葛まんじゅうなどの専門店。
注文を聞いてから、葛粉より作り上げるこだわりは、
葛本来のもつ粘りとコシと透明感を少しでも味わって欲しいと言うご主人岡本宏一さんの思いです。
葛と鯖寿しの店 まる志ん
住所/福井県三方上中郡若狭町熊川39-11-1
お問合せ/0770-62-0221 営業時間/9:00~17:00(L.O.16:30)
休業日/不定休 (お正月とお盆過ぎは休み)
繊細で上品な高級食材「若狭ぐじ」に舌がとろける
(写真 左)手前が“若狭ぐじ一本焼き、真ん中は“おすすめ9種盛お造り、奥には“天然岩ガキも見えます。
(写真 右上)「おこしやす」と京言葉が混じる、とにかく元気いっぱいの店主 後藤幸江さん。
(写真 下中)葛ようかんセット600円白ごま、小豆、黒ごまの味を楽しめます。あっさりとした上品な逸品です。
(写真 下右)これが、話題になった“オバマまんじゅう”(5個入り650円)。ほかに”オバマせんべい“(10枚入り400円)も。
お店に入るとオバマ大統領の就任時のビデオが流れています。呼称が同じと言う事で世に出た“オバマまんじゅう”が店頭にずらり。でも何と言ってもこちらのおすすめは、葛ようかん。
日本遺産の熊川葛と瓜割の水で出来ています。
若狭湾で穫れるアカアマダイを「若狭ぐじ」と言います。甘さが舌の上でふんわり広がります。
その気品漂う姿は今も京料理に欠かせません。
この味を求めて平日にも拘わらずカウンターとお座敷のお店は満席でした。