
おだやかな陽気に誘われて足摺半島をめぐる春の旅
太平洋につき出した足摺半島は、四国最南端の地。
南から流れてくる黒潮があたたかな春風を運んできます。
椿のトンネルをぬけて断崖に立つ白亜の灯台をのぞむ
四国で最も南に位置する足摺岬は、黒潮に浸食された荒々しい断崖絶壁と、濃紺の海をのぞむ見事な景勝地。岬の先端に立つ足摺岬灯台へと続く遊歩道には深紅の椿が咲き誇り、ひと足早い春の訪れを告げていました。高さ18mの足摺岬灯台は国内最大級を誇り、大正3年の点灯以来、変わらず沖を行き交う船の安全を見守っています。
散策後は「万次郎足湯」(写真下)でひと休み。あしずり温泉郷と同じ源泉の本格的な足湯が無料で利用できるなんて感激!目の前には浸食によって大きな穴があいた「白山洞門」。足湯で身も心もほっこりしました。
パワースポットとご当地バーガーで元気をチャージ!
足摺半島のある土佐清水市出身の偉人といえば「ジョン万次郎」。14歳のとき出漁中に遭難、アメリカの捕鯨船に助けられアメリカに渡り、10年後に帰国。その後は日本の開国に大きな役割を果たし、幕末の国際人として活躍した人物です。昨年リニューアルオープンした「ジョン万次郎資料館」(写真上)では、万次郎の数奇な生涯をパネルや模型で紹介しています。
幕末に思いを馳せた後は、もっと時代をさかのぼり古代へ。石がストーンサークルのように平地を取り囲む「唐人駄場」や、高さ7m近くある巨石が並ぶ「唐人石群」は、足摺半島の山頂付近にある不思議なスポット。周辺からは縄文時代から弥生時代の石器や土器片が出土し、古代に何者かによって作られたのでは?と言われていますが、詳細は未だ謎。最近ではパワースポットとして注目を集めています。
パワースポットに続いては、美味しいもので元気をチャージ!地元の老舗パン屋「ベイクショップ ポミエ」では、特産の清水サバを生かしたご当地バーガー「清水のさばぁーがー」(写真下)が人気。メインとなる清水サバのフライは、しょうゆとニンニク、ショウガをきかせた和風照り焼き味。小麦粉と米粉をブレンドして焼きあげたパンにはさんでいただくバーガーは、観光客だけでなく地元の人にも愛されています。
熱帯魚とサンゴ礁を育む土佐のあたたかな海
土佐清水市街から西へ車で約20分、足摺宇和海国立公園内の竜串・見残し周辺は、見どころの多いエリア。竜串海岸には波風が長い歳月をかけて浸食し、作りあげた奇岩群が広がり、まるで不思議なアートを見ているようです。竜串周辺は、冬でも15度以下にならないあたたかな海。竜串~見残し間を航行するグラスボートに乗れば、透明度の高い海中を泳ぐ色とりどりの熱帯魚、国内最大のシコロサンゴやテーブルサンゴを間近で見ることができます(写真下)。
空気はまだちょっぴり冷たいけれど、海辺に吹き渡る風にかすかな春の気配を感じた足摺半島のドライブでした。
新鮮な海の幸から昔ながらのご当地グルメまでその土地ならではの滋味を味わう!
黒潮に育まれた海の幸を豪快に味わう「海賊焼」
今回のお宿はあしずり温泉郷の老舗ホテル「足摺国際ホテル」。「海賊焼」は、アワビ、ヒオウギ貝、キビナゴなど地元で水揚げされた新鮮な魚介類を目の前で豪快に焼き上げてくれます。土佐清水市のブランド魚「清水サバ」をメインにした豪華な舟盛りも登場。プリプリとした弾力、脂の乗った清水サバのお刺身は絶品!鮮度の良さが違います。黒潮に育まれた海の幸を存分に堪能した夜でした。
※舟盛り、海賊焼ともに宿泊時の料理。料金は同ホテルにご確認ください。
●足摺国際ホテル
住所/高知県土佐清水市足摺岬662
TEL/0880-88-0201
URL/http://www.ashizuri.co.jp
土佐清水市民が愛してやまないソウルフード
土佐清水の人なら誰もが知っている「ぺら焼」(350円〜800円)は、薄く伸ばした生地の上に青ネギと魚のすり身を揚げた天ぷらを乗せて焼くお好み焼き。にしむらはぺら焼発祥の店であり、唯一の専門店。4種類のソースでいろんな味が楽しめます。
●元祖ぺら焼 にしむら
住所/高知県土佐清水市中央町6-1-1
TEL/ 0880-82-2752
営業時間/ 10:30~22:30
定休日/火曜日 不定休
食欲をそそる香ばしい焼きサバ寿司に舌鼓
同店は三代目板長・穂崎忠さんが厳選した素材で作る料理が味わえる店。中でも「焼きサバ寿司」(1本1100円)は、脂の乗ったサバの旨みに香ばしさと酢の爽やかさが加わって美味!板長オリジナルの「カツオのミソたたき」や女性に人気の「牡蠣の黄金焼き」も見逃せません。