
歴史が香る、雲の上の大自然を満喫!
雲の上の町「梼原(ゆすはら)町」は、 田舎だけどかっこいい、一歩先行く「かっこいなか」です。
自由と平等を夢見て脱藩して行った志士たちに会いに行く
高知県梼原町は、何と言っても「坂本龍馬脱藩の道」ゆかりの地として知られる町です。幕末の英雄・坂本龍馬は維新を夢見て土佐を出奔し、梼原の勤王の志士たちに世話になりながら伊予の国(愛媛県)に脱藩しました。その際のルートは「脱藩の道」と呼ばれ日本の未来を切り拓く希望の道だったのです。町には、「那須邸跡地」や「六志士の墓」、「維新の門」などがあり、当時の志士の気概に思いを馳せずにはいられません。
- (写真左)「維新の門」(群像)は、梼原町にゆかりのある六志士に、坂本龍馬、澤村惣之丞を併せた八人の銅像。明治維新に命をかけた志士たちの熱い息吹が、見る者の心に伝わってきます。
- (写真右)「脱藩の道」。龍馬たちは韮ヶ峠や九十九曲峠を抜け脱藩しました。その思いを感じてください。とは、案内してくださった「ゆすはらであいの会」の掛橋勤さん。
幽玄の美が流れる四国の屋根と自然と調和した町づくりに感動
梼原町は、高知県の北西部、四万十川上流の高知県と愛媛県の県境の町です。日本三大カルストの一つ四国カルストに抱かれ、町面積の91%を森林が占める自然豊かな山間の人口3,700人ほどの小さな町です。しかし「地芳トンネル」の開通にともなった電線の地中化やデザイン照明の設置や、世界的建築家「隈(くま)研吾」氏が手がけた建物が4つもあり、目を楽しませてくれます。
- (写真左)今回の旅でお世話になった雲の上のホテル別館「マルシェ・ユスハラ」。この建物も隈研吾氏の設計です。木造3階建てで、太陽光発電やペレットストーブを設置したとってもエコな建物です。1階は地域物産展示場の「まちの駅ゆすはら」。梼原町の特産品や地産品がずらり取り揃えられた市場です。
- (写真右)「まちの駅」一押し土産は“桜ほんのり”750円と“梼原のお茶ケーキ”。
全国が注目する、「風」「水」「光」「森」の自然エネルギー活用先進地
この町のもう一つの顔が、自然エネルギーの価値を早くから気付いた事。標高1,300mの四国カルストに設置された2基の風車は町の風力発電所。なんと年平均3,500万円の売電収入をもたらしています。また、梼原川の落差を活かした「小水力発電所」などがあり、2050年までにエネルギー自給率100%を目指す町として全国の自治体からの視察が殺到しています。他にも木造の町総合庁舎など先進的なエコの取組みを肌で感じられます。
- (写真左)掛橋さんから「小水力発電所」を案内して頂きました。写真右に見える魚道を優先するのでこれ以上発電所を大きくはしないとのこと。清々しい風景に出会いました。
- (写真右)こちらも隈研吾氏設計の「町総合庁舎」。木とガラスを組み合わせた外観がおしゃれ。中に入ると杉の香りが漂っています。
豊かな自然と町の人のおもてなしに、心があたたまる
何はともあれと向かった先は四国カルスト。天狗高原の東端に広がる天狗の森は標高1,485mで、四国カルストは東西25kmにも渡っています。晴れた日には南に太平洋、北に瀬戸内海を望む事ができます。でも“雲の上”の場所ですから、見えたら本当にラッキーです。草原に白い石灰岩が顔を出し、牛たちが草を食む様子は、本当に爽やかな気分になります。お次は町に戻って「脱藩の道」を案内して頂き静かな町をお散歩。心洗われる休日でした。
茅葺きの家で、のんびりランチ
かつて坂本龍馬が脱藩の際に通った道沿いの太郎川公園に茅葺きの古民家発見!こちらは、明治時代の庄屋、集会所、民家を移転してできた農家レストラン「くさぶき」。女将の上田知子さんと娘さんの美早希さんが笑顔で迎えてくれました。ここでしか味わえない「脱藩定食」1,200円(写真上)を、の~んびりいただきました。
農家レストラン くさぶき
●住所/高知県高岡郡梼原町太郎川3799-3
●お問い合わせ/0889-65-0500
●営業時間/10:00~15:00
●定休日/年中無休
自家製の牛肉でスタミナ回復
疲れた体には焼肉だ!と言う事で訪ねたのが梼原町商店街の「美味美味亭(おいおいてい)」。町で唯一の精肉店が出すお店です。なんとご主人自ら牛の飼育をしているそうです。国産黒毛和牛にこだわっており、肉の味が良いと、町外からもお客さんがやってくる人気店。抗生物質を一切使わず育てたとってもヘルシーな逸品です。
美味美味亭(おいおいてい)
●住所/高知県高岡郡梼原町梼原1481(東町)
●お問い合わせ/0889-65-1555
●営業時間/
11:00~13:30(各週木曜日ランチ休み)
17:00~21:30(オーダーストップ21:00)
●定休日/水曜日 木曜の昼 (祝日その他変更あり)
エコな町で本物の味と香り
町を散策していると、大きなウインドウからカラフルな色のコーヒー焙煎機が。ご主人の山口健児さんと奥様の和代さんが1年半前に開店した「自家焙煎珈琲屋・COFFEE FLAG」。世界中から品質の良い豆を仕入れて焙煎しています。バタークリームケーキ(380円)と栗のクグロフ(220円)は奥様お手製です。
COFFEE FLAG(コーヒーフラッグ)
●住所/高知県高岡郡梼原町梼原1155-6(北町)
●お問い合わせ/0889-65-0580
●営業時間/8:00~19:00
●定休日/木曜日、第2・4金曜日
(祝日は振替にて営業)
心にしみる静寂のなかのスイーツ
「雲の上のホテル」にある「雲の上のレストラン」でしばし休憩しました。梼原町の名産「かよたまご」を使った“特製チーズケーキ”はレストラン自家製です。しっとりした舌ざわりで、この静かな山間でいただけるのは至極の幸せタイムです(ケーキセット864円・写真左)。またホテル宿泊なら極み会席「幻の土佐あかうし会席」プラン(写真右)がおススメ。