絶景と花に出会う「別子・翠波はな街道」をドライブ
元禄4年(1691)から昭和48年(1973)の閉山まで
283年にわたり65万トンの銅を産出した別子銅山の歴史を紐解く
愛媛県石鎚山系の東の端に標高1,500m〜1,700mクラスの山々が並ぶ赤石山系・法皇山脈があります。この山々を囲むようにして、国領川と銅山川をつなぐドライブコースが、「別子・翠波はな街道」。沿道では、別子銅山の歴史に驚愕し、東洋のマチュピチュからの絶景に息をのみ、圧倒的な迫力を感じる富郷渓谷や菜の花が咲き乱れる翠波(すいは)高原を訪れ、銅山川の下流では「霧の森」の絶品グルメを楽しむ。春ドライブの魅力があふれるコースです。
別子銅山最後の採鉱本部跡地を利用した鉱山観光施設「マイントピア別子」。鉱山鉄道、観光坑道、砂金採り体験や温泉施設、レストランもあり、遊びながら歴史に触れ合え一日中楽しめるスポットです。
「マイントピア別子」を後にして県道47号をさらに東に走らせると、迫って来る山々と銅山川が作り出す渓谷美に魅せられます。絶景を前に撮影したり、フォレスターハウスや、南光院など点在する観光スポットをのんびり訪ねながら快適ドライブを楽しめます。
愛媛県新居浜市の市街地から別子山を連絡する県道47号は、市内中心へ流れる国領川に沿って走っています。市内から10kmほど上っていくと、ドイツのライン川の渓谷部に似ていることから名付けられた「別子ライン」という渓谷景勝地を車窓から望めます。途中にある大きなループ橋「青龍橋」はそんなドライブに楽しいアクセントをつけてくれます。
『東洋のマチュピチュ』と称される施設は、別子銅山の東平(とうなる)ゾーンにある『貯鉱庫』と『選鉱場』をさしています。ここから約11km離れたマイントピア別子の端出場ゾーンまで鉱石を索道というロープウェイで搬出しました。貯鉱庫は当時のまま残り、自然と調和した煉瓦造りの壮観な姿は圧巻です。また、別子山方面に車を進めると「住友の植林事業ゆかりの地」に建つフォレスターハウスがあります。森林浴が楽しめる遊歩道もありリフレッシュできます。
東平ゾーンは標高約750m。大正5年(1916)から昭和5年(1930)まで学校、病院、娯楽場、社宅などがあり約5,000人が暮らしていました。写真は一際目を引く貯鉱庫跡。
銅山川沿いを走る県道6号をさらに東へドライブすると、大きなダムが見えてきます。四国で第2位の高さ106mを誇る「富郷ダム」です。さらに先の下流6kmにわたって続く富郷渓谷では、銅山川が作り出した断崖や深い淵、奇岩、怪石が訪れる人の目を楽しませます。30万本の菜の花が黄金色の絨毯を敷き詰めたような「翠波(すいは)高原」、さらに少し足を伸ばせば霧深い山でしか味わえないグルメを楽しめる「霧の森」で一息つくのも一興です。
道の駅「霧の森」と駐車場を結ぶ印象的な「玉水橋」。
四国中央市を流れる銅山川を下っていくと、2021年ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎博士の生家を訪ねられます。標高1,000mの高台まで上れば別世界の「霧の高原」。さらに下って徳島県三好市まで足を伸ばせば、銅山川の流れとグルメが楽しめる「とりの巣カフェ」で寛ぎのひとときや絶景に溶け込む個性的な姿の「青雲橋」も見逃せません。
1989年の論文で今後70年の温暖化を予測しノーベル賞を受賞した四国中央市出の真鍋淑郎博士の生家。
徳島県三好市の銅山川下流、吉野川との合流地点の近くに架かるオレンジ色の「青雲橋」は、平成16年(2004)、fib(国際コンクリート連合)賞の最優秀賞を受賞。PC吊り床版を利用した曲線トラス橋が、絶景に溶け込んでいます。
銅山川の金砂湖(きんしゃこ)にかかる平野橋のたもとの高台に立つログハウスの山小屋カフェです。愛媛県警に勤めていたご主人が定年前に勤務していたこの場所とこの土地の人々の人情が気に入り、対岸の山が迫るこの土地を購入、その地に植っていた木を伐採しログハウスを建てたこだわりのカフェ。奥さんと二人で切り盛りしています。入ると薪ストーブがお出迎え。いきなりなごみの空間が広がります。
山小屋カフェ グリーンハット
地元の山菜を使った、こだわりのメニュー。写真手前が、グリーンハットランチ「パスタ&ライス」。奥は「湖畔カレー」。(どちらもデザート、サラダ、ドリンク付きで1,100円)。
山の幸と旬の素材を活かしたお料理を楽しめます。新宮茶を贅沢に練り込んだ「茶そば」やおすすめの名物、自家製の「おぼろ豆富」が人気です。
霧の森レストラン
茶そばとおぼろ豆富の「霧の森セット」(1,155円)。清流、馬立川 のせせらぎの音を聞きながら舌鼓を打つ贅沢。
囲炉裏のある古民家のようでモダンな店内。霧の森菓子工房の出来立てのお菓子と名産の新宮茶を。美味しいお茶の点て方も教えてもらえます。
霧の森茶フェゆるり
お菓子は手前の「馬立本陣(黒糖饅頭)」と「霧の森大福」(どちらも220円)。無農薬栽培の新宮茶も。静かにいただきました。
愛媛県四国中央市
WR-V