ワンデイドライブ

WR-Vで行く別子・翠波はな街道

絶景と花に出会う「別子・翠波はな街道」をドライブ

元禄4年(1691)から昭和48年(1973)の閉山まで
283年にわたり65万トンの銅を産出した別子銅山の歴史を紐解く

絶景と四季折々の花と出会う
別子・翠波はな街道

 愛媛県石鎚山系の東の端に標高1,500m〜1,700mクラスの山々が並ぶ赤石山系・法皇山脈があります。この山々を囲むようにして、国領川と銅山川をつなぐドライブコースが、「別子・翠波はな街道」。沿道では、別子銅山の歴史に驚愕し、東洋のマチュピチュからの絶景に息をのみ、圧倒的な迫力を感じる富郷渓谷や菜の花が咲き乱れる翠波(すいは)高原を訪れ、銅山川の下流では「霧の森」の絶品グルメを楽しむ。春ドライブの魅力があふれるコースです。

別子銅山最後の採鉱本部跡地を利用した鉱山観光施設「マイントピア別子」。鉱山鉄道、観光坑道、砂金採り体験や温泉施設、レストランもあり、遊びながら歴史に触れ合え一日中楽しめるスポットです。

「マイントピア別子」端出場ゾーンにある別子銅山の近代化を支えた産業遺産「旧端出場水力発電所」を見学(無料)。

2階の眺望エリアからはタービン室全体を見渡せます。

明治45年(1912)竣工し59年間発電を行い瀬戸内工業地帯の礎を築きました。

明治26年開通時の蒸気機関車を模した鉱山観光列車。

当時の姿を留める登録有形文化財の端出場鉄橋、端出場隧道も走ります。

砂金採りに挑戦!アメジストやタイガーアイも採れます(持ち帰り可)。

全長約333mの観光坑道。

江戸時代の採鉱シーンを人形で再現した江戸ゾーン。

軽やかなハンドル操作

心踊る絶景ドライブ

 「マイントピア別子」を後にして県道47号をさらに東に走らせると、迫って来る山々と銅山川が作り出す渓谷美に魅せられます。絶景を前に撮影したり、フォレスターハウスや、南光院など点在する観光スポットをのんびり訪ねながら快適ドライブを楽しめます。

愛媛県新居浜市の市街地から別子山を連絡する県道47号は、市内中心へ流れる国領川に沿って走っています。市内から10kmほど上っていくと、ドイツのライン川の渓谷部に似ていることから名付けられた「別子ライン」という渓谷景勝地を車窓から望めます。途中にある大きなループ橋「青龍橋」はそんなドライブに楽しいアクセントをつけてくれます。

ループ橋「青龍橋」。

銅山川の別子ダムを過ぎた辺りの渓谷にある「余慶の吊り橋」も絶景ポイント。

県道沿いに建つ「南光院」。

自然の中で静寂を感じる癒しの場所です。

1,000mを超える山が連なる絶景。

重厚な花崗岩造りが残る
東洋のマチュピチュ

 『東洋のマチュピチュ』と称される施設は、別子銅山の東平(とうなる)ゾーンにある『貯鉱庫』と『選鉱場』をさしています。ここから約11km離れたマイントピア別子の端出場ゾーンまで鉱石を索道というロープウェイで搬出しました。貯鉱庫は当時のまま残り、自然と調和した煉瓦造りの壮観な姿は圧巻です。また、別子山方面に車を進めると「住友の植林事業ゆかりの地」に建つフォレスターハウスがあります。森林浴が楽しめる遊歩道もありリフレッシュできます。

東平ゾーンは標高約750m。大正5年(1916)から昭和5年(1930)まで学校、病院、娯楽場、社宅などがあり約5,000人が暮らしていました。写真は一際目を引く貯鉱庫跡。

ジオラマなどで紹介する「東平歴史資料館」。

資料館前の駐車場からは、遠く新居浜市街も見渡せます。

平成5年(1993)に、新しい森林文化を発信する基地として誕生した「フォレスターハウス」。

1周1km、所要時間約15分で遊歩道を散策する「森林浴コース」。
他にも、モニュメント広場、ビオトープ、木のアーチ広場などがあり四季折々の自然を満喫できます。

館内では映像、体験を通じて保続林業について学べます。

来場者メッセージが書かれた『木のボール』も展示。

新緑の春にふさわしい
景勝地を巡るドライブ

 銅山川沿いを走る県道6号をさらに東へドライブすると、大きなダムが見えてきます。四国で第2位の高さ106mを誇る「富郷ダム」です。さらに先の下流6kmにわたって続く富郷渓谷では、銅山川が作り出した断崖や深い淵、奇岩、怪石が訪れる人の目を楽しませます。30万本の菜の花が黄金色の絨毯を敷き詰めたような「翠波(すいは)高原」、さらに少し足を伸ばせば霧深い山でしか味わえないグルメを楽しめる「霧の森」で一息つくのも一興です。

道の駅「霧の森」と駐車場を結ぶ印象的な「玉水橋」。

新宮茶ミュージアムのエントランス。

「霧の森菓子工房新宮本店」では、和洋菓子や新宮茶をはじめ工芸品も販売。

香り立つ新宮茶ソフトクリームは、各389円。

山小屋風「霧の森コテージ」は、一棟貸です。

「富郷ダム」の下流の富郷渓谷にかかる「藤原大橋」。橋の上からは雄大な渓谷美を目の当たりにできます。

標高892mの翠波峰を中心とした約100ヘクタールの「翠波高原」。
美しい翠(みどり)が波のようにたなびいています。

春には菜の花、初秋には可憐なコスモスの花で覆い尽くされます。

国道319号沿いにある「具定展望台」からは四国中央市の全域が見下ろせます。

山深い高地の魅力を体感

時間を忘れる空間で遊ぶ

 四国中央市を流れる銅山川を下っていくと、2021年ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎博士の生家を訪ねられます。標高1,000mの高台まで上れば別世界の「霧の高原」。さらに下って徳島県三好市まで足を伸ばせば、銅山川の流れとグルメが楽しめる「とりの巣カフェ」で寛ぎのひとときや絶景に溶け込む個性的な姿の「青雲橋」も見逃せません。

1989年の論文で今後70年の温暖化を予測しノーベル賞を受賞した四国中央市出の真鍋淑郎博士の生家。

標高1,000mの「霧の高原」にあるグランピング施設「LUONTE」。

7mのドームテントでくつろぐ空間は格別。

フィンランド式のサウナも完備。1,000mで、特別な“ととのい”を!

天気の良い日は瀬戸大橋も見えます。

銅山川下流にある「とりの巣カフェ」は地元三好市の木をふんだんに使った、安らぎの空間。

音響環境抜群、コンサートも開かれます。

おしゃれに彩られた手作りケーキ(550円)とドリップコーヒー(450円)。

地元愛と笑顔が素敵なオーナー大久保冨美さんとのおしゃべりも楽しいです。

吉野川最長の支流である銅山川

自然の絶景が次々と現れる

見どころは愛媛県から徳島県へつながっていく

 徳島県三好市の銅山川下流、吉野川との合流地点の近くに架かるオレンジ色の「青雲橋」は、平成16年(2004)、fib(国際コンクリート連合)賞の最優秀賞を受賞。PC吊り床版を利用した曲線トラス橋が、絶景に溶け込んでいます。

金砂湖を望む高台にあるログハウスカフェのカレー

 銅山川の金砂湖(きんしゃこ)にかかる平野橋のたもとの高台に立つログハウスの山小屋カフェです。愛媛県警に勤めていたご主人が定年前に勤務していたこの場所とこの土地の人々の人情が気に入り、対岸の山が迫るこの土地を購入、その地に植っていた木を伐採しログハウスを建てたこだわりのカフェ。奥さんと二人で切り盛りしています。入ると薪ストーブがお出迎え。いきなりなごみの空間が広がります。

地元の山菜を使った、こだわりのメニュー。写真手前が、グリーンハットランチ「パスタ&ライス」。奥は「湖畔カレー」。(どちらもデザート、サラダ、ドリンク付きで1,100円)。

絶景が望める人気のテラス席。

山の中に佇んでいます。

薪ストーブの上でカレーを温めます。

川と森に囲まれていただく
「おぼろ豆富」と「茶そば」

 山の幸と旬の素材を活かしたお料理を楽しめます。新宮茶を贅沢に練り込んだ「茶そば」やおすすめの名物、自家製の「おぼろ豆富」が人気です。

茶そばとおぼろ豆富の「霧の森セット」(1,155円)。清流、馬立川 のせせらぎの音を聞きながら舌鼓を打つ贅沢。

くつろいだ雰囲気の中
名産の新宮茶とお菓子が沁みる

 囲炉裏のある古民家のようでモダンな店内。霧の森菓子工房の出来立てのお菓子と名産の新宮茶を。美味しいお茶の点て方も教えてもらえます。

お菓子は手前の「馬立本陣(黒糖饅頭)」と「霧の森大福」(どちらも220円)。無農薬栽培の新宮茶も。静かにいただきました。

MAP

愛媛県四国中央市