元気をもらいに森の国へドライブ
深い緑、澄んだ水
愛媛県の西南部の小さな松野町は
元気あふれる森の国です
四万十川の支流、目黒川の一番先の上流12kmに及ぶ大渓谷「滑床渓谷」。その名の通りほとんどが滑らかな花崗岩の岩床に覆われています。独特な地形は途方も無い年月をかけ「雪輪の滝」や「出合滑(であいなめ)」と呼ばれる広大な岩肌を作り美しい景観を生み出しています。
「滑床(なめとこ)渓谷」で知られる愛媛県松野町は町土の84%を森林が占める自然豊かな山間の町です。滑床観光開発のパイオニアである初代町長の言葉をルーツとした『森の国』というキャッチフレーズは、まさにピッタリの言葉。手つかずの自然が残り、そこで遊んだり学んだりするたびに自然のエネルギーが体に宿ります。整備されたレジャー基地や文化財、記念館なども見逃せませんが、四万十川の支流、広見川や目黒川の清流や新緑の恩恵を受けた松野の逸品にも新鮮な感動があります。
日本の滝百選に選ばれた『雪輪の滝』。流れ落ちる水紋が雪の輪のように見えることからこの名が付いています。花崗岩でできた一枚岩の斜面を全長300m幅20mに渡って流れる滝です。約40mあたりから一気に滑り落ちると恐怖より爽快感が勝ります。
古くから交易の要所として栄えたこの町には16世紀から17世紀にかけて国境の要所として築かれた「河後森城跡」があり国指定史跡になっています。全国的にも珍しく貴重な地形模型のある「目黒ふるさと館」では350年前の正確な制作技術に驚かされます。
JR松丸駅や道の駅 虹の森公園を見下ろす丘の上にある「河後森城跡」。戦国時代に伊予(愛媛)と土佐(高知)の国境の要所として築かれた山城跡です。石垣の上に築造された江戸時代の城とは違い土を盛って防御した土づくりの城でした。国指定史跡となっており、散策するための遊歩道が整備されています。写真の建物、再現された西第十曲輪の馬屋には、『続日本100名城スタンプ』が置いてあります。
「JR松丸駅」の広見川を挟んだ対岸に広がる「道の駅 虹の森公園まつの」。四万十川と世界の淡水魚たちを紹介する水族館「おさかな館」、ガラス作品が作れる「森の国ガラス工房 風音(かざね)」、「レストラン遊鶴羽(ゆずりは)」、特産品販売の「かごもり市場」、トマトのもぎり体験ができる「森の国ファーム」などがあり、盛りだくさんのレジャー拠点です。
愛媛と高知を結ぶJR予土線には、知る人ぞ知るユニークな列車が走っています。松野町の広見川の上の鉄橋を渡っているのは『しまんトロッコ』です。オープンエアーの木型ボックス席が人気です。この列車は『予土線3兄弟』の長男。他にも次男の『海洋堂ホビートレイン』、三男は新幹線0系を模した『鉄道ホビートレイン』。全部で1日5往復しているのできっと出会えます。
26歳10か月の短い生涯ながら昭和初期の俳壇に彗星の如く現れた芝不器男はこの地の生まれ。町内には「不器男記念館」のほか17か所には珠玉の句を刻んだ句碑もあります。記念館の前を通る旧松丸街道には、幕末から明治にかけて栄えた豪商の屋敷や作り酒屋も残っています。
四万十川の支流広見川、その支流である奥の川、さらにそのまた支流の奥内川流域にある奥内集落。500m〜600m級の遊鶴羽(ゆずりは)山と赤滝山の急峻な山並みに閉ざされた谷間にあります。『日本の棚田百選』に選ばれた「奥内の棚田及び農村景観」は、平成29年に『国選定重要文化的景観』になっています。源平合戦の後に平家の落人が隠れ住み少しずつ棚田を広げていったという伝説も残っています。自然の地形をそのまま生かして石垣を積み上げています。高いところでは4mもあり城郭石垣とも見間違えるほどです。写真の様に青々した水田も美しい景観ですが、稲穂が実り切った刈り入れ前の棚田の素晴らしさにはかないません。まさに『黄金の谷』が現れます。(毎年8月中旬以降)
滑床渓谷にほど近い森の中に佇むおしゃれな3階建のロッジ「森の国 水際のロッジ」。目黒川のせせらぎ、小鳥のさえずり、ささやくように流れるそよ風。爽快感に満ち溢れ豊かな時間が流れています。1階のピッツェリアでいただく新鮮な食材を使ったお料理は別格です。
森の中で過ごす極上のひととき『水際のロッジ』
夕食は手前から『めちゃ旨まっちゃんトマト 世界1位受賞マルゲリータSTG』『土佐枯れ節と小石さんこだわり卵の貧乏人風スパゲッティ』『まつのジビエ鹿のハンバーグ』。
包まれた自然に寄り添うナチュラルな空間が漂う「水際のロッジ」。暖炉のある吹き抜けのロビーラウンジ、遊び心をくすぐるバンクベッドのある客室。大自然を五感で感じる様々なプランも用意されています。好きな場所でいただく朝食、真っ暗の中を懐中電灯を頼りに森の中を散歩するナイトツアー。バーベキューでマシュマロを焼いたり、ワクワクがいっぱいです。
ロビーに入った瞬間日常から解放。
道の駅 虹の森公園内のレストラン「遊鶴羽」で昼食。地元の食材をふんだんに使ったボリューム満点のお料理が自慢です。毎月第2・4火曜日は、地元のお母さんが持ち寄った農家の野菜で作った料理が並ぶ『おかあさんレストラン』があり、行列ができるほどの人気です。
レストラン遊鶴羽
手前は『四万十鷄のグリルチキン(980円)』。新鮮な松野産のトマトソース添え。奥は『えび天青さのりうどん(1100円)』。
気持ちのいい広見川の景色は食欲をそそります。
同じく道の駅公園内にある「かごもり市場」。野菜やジビエ肉などが毎日並びます。有名な『松野の桃』は8月中旬まで。
かごもり市場
愛媛県松野町