
かつての海軍の街という独特の文化が色濃く残り
日本遺産が点在する街
呉は煌めく歴史と美しさであなたを魅了します
旧海軍の歴史の光と影
呉港の昔と今を実感
巨大戦艦「大和」を建造した軍港として知られる呉市。それを象徴するのが「大和ミュージアム」です。1/10に忠実に再現された「大和」のほか零戦や人間魚雷「回天」などの実物も展示され日本の過去を実感します。呉港の周りには、日本で唯一実物の潜水艦を陸上展示する資料館「てつのくじら館」や、世界でも珍しい稼働中の潜水艦を間近でみられる公園「アレイからすこじま」、造船所を一望できる「歴史の見える丘」など迫力満点の見どころが満載です。
- (写真左)ヤマトミュージムのシンボル、入館するとドンと現れる1/10スケールの『戦艦大和』。全長26.3mもあり1/10でも大迫力を実感します。
- (写真左中)『大型資料展示室』では、零式艦上戦闘機や人間魚雷「回天」など実物を展示。
- (写真右中)3Fには1/10サイズの30万トン級のタンカーの船体も。
- (写真右)入り口付近の『戦艦陸奥』の実物の主錨と主砲身。
- (写真左)ミュージアム前の大和波止場公園。大和前甲板の左半分を実寸大で表現。
- (写真中)「アレイからすこじま」からは、潜水艦や海上自衛隊の隊員が間近に。
- (写真右)「歴史の見える丘」からは、改修中の護衛艦『かが』も見えました。
- (写真)「てつのくじら館(海上自衛隊呉史料館)」に展示されている潜水艦「あきしお」。全長76.2mの2004年まで現役だった本物の潜水艦。艦内も見学できます。(無料)
近代国家として西欧列強への海防力の備えを急ぎ
呉に近代的な軍港を整備した明治期
この息吹は百年を超え今も逞しく美しく
- (写真左)赤レンガに『旧呉鎮守府司令長官官舎』の文字の石門が印象的な「入船山記念館」。日本遺産の『長官官舎』や『旧東郷家住宅離れ』『旧高烏砲台火薬庫』『旧呉海軍工廠塔時計』などが展示されています。
- (写真右)長官官舎の洋館部。『金唐紙』は必見。
- (写真左)正面に見えるのが「旧呉鎮守府司令長官官舎」。
- (写真中)住居として使用された和室部の外回廊。
- (写真右)レンガタイルが敷かれた松並木の「美術館通り」。
どこか懐かしい街の面影に
日本近代化の躍動を体感するまち
明治22年(1889年)に、呉鎮守府が開庁され、海軍工廠や海軍病院など海軍関連の機関が置かれました。人と先端技術が集積され鎮守府諸機関とともに水道や鉄道なども整い、静かな漁村が日本の近代化を象徴するまちへと変貌していきました。日本遺産に登録された歴史的な建造物がいくつも残り、設備の一部は今も現役で稼働してというから驚きです。懐かしさが残りながら、逞しい息吹を感じるのもこのまちならではの魅力です。
- (写真左)『この世界の片隅に』のすずさんはこの「旧澤原家住宅 三ッ蔵」の前を歩いていました。
- (写真中)標高737mの「灰ヶ峰」の展望台から、港町・呉を一望。
- (写真右)お客さんが途切れない呉のソウルフード『フライケーキ(1ヶ90円)』のお店「福住」。
本土と倉橋島の間の海峡にかかる二つのアーチ橋
旅情たっぷりの美しさが目の前に広がる
- (写真左)全長約800m、一番狭いところで幅約70mの「音戸(おんど)の瀬戸」。潮の流れも早い海峡ですが、一日大小約700隻の船舶が往来しています。旅情をかきたてる風景です。二つの橋は手前が螺旋状の高架橋『音戸大橋』、向こうが『第二音戸大橋』。
- (写真中)音戸大橋を降りると、車1台通るのがやっとの昭和レトロな音戸の町並み。
- (写真右)第二音戸大橋を渡ると見えくる同じ真紅のアーチ橋の形をした歩道橋『第三音戸大橋』です。
平清盛の拓いた海峡と
弘法大師が修行した山
「音戸の瀬戸」には、開削する際、その日に工事が終わらないと見た平清盛が、沈みそうな太陽に向かって金の扇をかざし太陽を呼び戻し工事を終わらせた。と言う『日招き伝説』が残っています。「音戸瀬戸公園」からは、季節の花々と青い海峡、そして大小三つの赤いアーチ橋が美しいコントラストを作り出し目を楽しませてくれます。弘法大師が修行に励んだと言われる「野呂山」からは前を遮るものがなくダイナミックで優美な多島美に出会えます。
- (写真左)「野呂山(のろさん)」は、標高839m。山頂付近からの展望は、瀬戸内海国立公園の中でも群を抜く景観美です。「星降る展望台」には星座の解説版も。夜には満点の星空を満喫できます。
- (写真右)中腹にある人気の「ハチマキ展望台」。
- (写真左) 弘法寺の展望デッキからは安芸灘諸島が一望。
- (写真中)岩窟に立つ弘法寺。
- (写真右)巨石、奇岩がゴロゴロ密集している「岩海(がんかい)」。
「安芸灘とびしま海道」の7つの橋をわたり
窓を開けて潮風を感じながら不思議な島々へ
- (写真左)下蒲刈島の「三之瀬」地区。海上交通の要所として栄えた歴史があり、「蘭島閣美術館」や「白雪楼」「松濤園」などが立ち並んでいます。
- (写真右)江戸時代後期を代表する茶室「白雪楼」。
- (写真左)「松濤園」の朝鮮通信使史料館『御馳走壱番館』。
- (写真中)朝鮮通信使船の復元模型。
- (写真右) 昔の船着場『雁木(がんぎ)』。
安芸灘とびしま海道で出会う
穏やかな島々の歴史と文化
7つの橋を渡って『安芸灘とびしま海道』をドライブ。下蒲刈島には、かつて海の関所があり江戸時代の番所跡や本陣の外観を復元した美術館、見事な庭園「松濤園」などがあります。大崎下島豊町には、風待ち、潮待ちの港町として栄えた御手洗地区があり、明治・大正・昭和時代の建物が残りタイムスリップしたような町歩きが楽しめます。
- (写真左) 「御手洗(みたらい)」地区は、江戸時代から北前船も立ち寄った『潮待ち、風待ちの町』として栄え、大小の商家、茶屋、船宿などの建物が今も数多く残されています。のんびりそぞろ歩きをすればタイムトラベルできます。
- (写真右) 「御手洗」のシンボル「高燈籠」。
- (写真左)TVCMでお馴染みの場所!?
- (写真中)帰り道で寄ってみたい場所「みかんメッセージ館」。みかん作りにかけた先人たちの情熱が伝わってきます。
- (写真右) 優美な「中の瀬戸大橋」。
昭和レトロなお店の『海軍さん』ゆかりの絶品グルメ
- (写真左)手前から、デミグラスソースをかけたいせ屋特製『カツ丼(1,320円)』と『海軍さんのカレーライス(825円)』。
- (写真左中)一目でわかる歴史を感じるお店の入り口。
- (写真右中)四代目になったばかりの小谷雅幸さん。
- (写真右)『甘煮(あまに)』とも呼ばれる『海軍さんの肉じゃが(495円)』。
呉市中通の商店街にあるのれんが目印。『名物かつ丼』の看板もあるのですぐ見つけられます。中に入るとレトロなポスターや芸能人のサインが飾られたアットホームで昭和の香りが漂う小さなお店です。1921年創業。戦艦浅間のコックだった創業者から受け継がれた味を保っています。玉ねぎが溶けるまで6時間も煮込んだ『海軍さんのカレーライス』や醤油と砂糖だけで味付けした『海軍さんの肉じゃが』が名物。
田舎食堂 いせ屋
呉市 中通 4-12-16
戦艦大和の船橋と同じ高さで食べる朝食
- (写真左)どこかアメリカンなエントランス。
- (写真左中)戦艦大和のカレイライスをメインにしたセット(3,000円)。※宿泊者以外でも前日までの予約でいただけます。
- (写真右中)穏やかな朝日を浴びた呉港を一望できます。
- (写真右)港で一際目立つランドマークです。
造船のまちでもある呉港は活気に満ちています。海上自衛隊のまちでもあり自衛艦が行き交う様は、独特の風景を作っています。そんな呉港を望みながらのんびり優雅な朝食をいただけるのが11階にあるレストラン「ヴェール・マラン」です。当時のレシピより再現した戦艦大和のカレイライスをメインにしたセット、18品目もある小さなこだわりのお惣菜とお粥さんのセットのいずれかが選べます。
クレイトンベイホテル ヴェール・マラン
呉市築地町3−3
潜水艦の見える港の喫茶店
- (写真左)手前から『くろしお特製“広島風”柔らか牛筋カレー』と『鉄板エビチーズナポリタン』。どちらもサラダ+ドリンクバー付きで1,080円。
- (写真右)気分は船乗りさん。楽しいランチタイムを満喫。
自衛隊の潜水艦が係留されている桟橋が目の前にあります。観光客で人気のこのお店のテラスからは日常では味わえない風景が広がり、いただくランチは格別なものがあります。撮影用に海上自衛隊の帽子の貸し出しもあり、心配りも最高です。
港町珈琲店
呉市昭和町6-17 2F
音戸の旧道にひっそり佇むお店の心づくしの手作り料理
- (写真左)『Shunpuランチ(手前2,200円)』と大崎上島車海老フライを乗せた『瀬戸内 エビカレー(1,650円)』。
- (写真右)美しい庭園を眺めながら、静かでゆったりした時の流れの中、地元で取れる旬の風味をたっぷりいただきます。
- (写真左)手前は、craft & gallery『ゆらぎ』。クラフト作品を展示販売。奥は素材やデザインにこだわった洋服のお店『Rita』。
赤い音戸大橋のたもとの音戸のまちの細い旧道に、かつて呉服店であった建物をリノベーションした和モダンなお店が「天仁庵(てんじんあん)」。カフェ、器と生活雑貨のお店、心地よい衣服のお店、イベントスペースの和室などの複合店舗です。落ち着いた店内でいただくランチタイムは至福の時間です。