
「坂の街」「文学の街」「映画の街」
いくつもの顔を持つ尾道市
一度訪れるとまた行きたくなる街です
魅力がギュッと詰まった
中世から続く箱庭的都市
瀬戸内海のほぼ中央に位置する尾道市。平安時代の開港以来、瀬戸内海随一の良港として繁栄し、江戸時代には北海道〜大阪を結ぶ『北前船』の寄港も始まり、ますます賑わいを見せました。人・もの・財が集積し、尾道三山と尾道水道の限られた地域に多くの寺社や庭園、住宅が作られ、入り組んだ路地や坂道は今も残る『箱庭的都市』が誕生したのです。繁栄は今に続き、歴史的な建物も多く残り姿を変え尾道の魅力を発信し続けています。
- (写真左)小さな渡船は、対岸の尾道(土堂)と向島(兼吉)を約4分で結ぶ「尾道渡船」。驚きなのはその運賃。自動車(4m以上5m未満)で片道110円!大人100円、小人50円。
- (写真右)夜の駅前広場のウッドデッキ。
- (写真左)海岸通りの「おのみち海辺の美術館」。
- (写真左中)昭和14年創業の老舗「手づくりアイスクリームからさわ」のアイスモナカ。
- (写真中)180円
- (写真右)コーンシングル(290円)と共に海辺のベンチへ。
- (写真左) 尾道市役所の北側にある石畳が美しい尾道の旧市街地の「米場町通り」。昔お米屋さんがあった通りで、「おのみち歴史博物館」もこの通りにあります。
- (写真中)「おのみち映画資料館」は、入り口の映写機がシンボル。
- (写真右)小津安二郎監督「東京物語」のポスターや尾道ゆかりの映画資料などを展示。ミニシアターも。
- (写真左) 大正12年竣工の旧尾道銀行本店の「おのみち歴史博物館」。
- (写真中)商港都・尾道を語り継ぐ歴史的建造物で、鉄扉の大金庫もそのままに。
千光寺山の“いただき”から
尾道水道や日本遺産の街並みが広がる
感動の大パノラマ
- (写真)近代的な建物は、「千光寺公園頂上展望台PEAK(ピーク)」。全長63mの展望デッキからは、尾道の街並みが一望できます。エレベータも設置されており、足腰の弱い人、車椅子の人でも上れます。
- (写真左)千光寺山の中腹にある奇岩に囲まれた「千光寺」。
- (写真中)お寺のシンボル朱塗りの本堂「赤堂」。
- (写真右)まさに絵画の世界が広がる境内からの眺望。
見たかった景色が目の前に
尾道水道に広がる絵画の世界
尾道の魅力はなんと言っても千光寺公園から尾道水道を眺める絶景です。本州と向島(むかいしま)に挟まれた東西に長い幅約200〜300メートルの狭い海(尾道水道)を行き交う運搬船や渡船。両岸にびっしり並んだ建物との景色はまさに『箱庭』のようです。ロープウェイ山頂駅に着くと標高144.2mの千光寺山の山頂から中腹にかけて千光寺公園が広がり、「尾道市立美術館」や「文学のこみち」もあり、のんびり散策できます。
- (写真左・中)港町・尾道には、千光寺公園から眺める瀬戸内の風光美を求めて訪れた文人墨客が数多く滞在しました。山頂から中腹に点在する自然石に、志賀直哉や林芙美子など尾道ゆかりの人の詩歌・小説の断片が刻まれた散歩道「文学のこみち」で詩興に浸ります。
- (写真右)3分の空中散歩が楽しめる千光寺山ロープウェイ。
- (写真左)尾道市の“新名所”、「尾道市役所展望デッキ」。朝8時から夜9時まで365日開放しています。気軽に寄れる夜景スポットです。
- (写真右)海風が優しい朝の爽やかな眺望も見逃せません。
尾道を見る、視る、観る
感動に包まれる至福の時間
千光寺公園内にある「尾道市立美術館」。時代や国境、ジャンルを超えた美術品が展示されています。2匹の猫と警備員さんのやりとりが可愛いとSNSで話題になり、写真集はお土産にもなっています。業歴100年を超える老舗が数多く残る「尾道本通り商店街」は、石畳の街並みが続き古き良き日本の雰囲気を醸し出しています。レトロなお店や細い路地から見える海や千光寺を撮影する観光客であふれています。
- (写真左)建築家、安藤忠雄氏の設計による空間が瀬戸内の風景に融け合う「尾道市立美術館」。景色が芸術になっている2階のロビー。
- (写真右)マレーシアの現代アート作家シュシ・スライマンさんの作品を展示(11月12日まで)。尾道市山手地区の家々から集められた、見放されたものたちのショールーム。
- (写真左)壁面にも作品が。
- (写真中)廃屋のいぶし瓦も展示。
- (写真左)尾道本通り商店街入り口に、「海が見えた 海が見える 五年振りに見る尾道の海はなつかしい」の一節で有名な『放浪記』の林芙美子像が。
- (写真右)古き良き時代の商店街。
- (写真左)商店街西側入り口すぐにある「林芙美子記念館」。
- (写真中)奥に進むと、尋常小学校から女学校にかけて多感な思春期を過ごした旧林芙美子居宅が見学できます。
- (写真右)尾道に縁の深い林芙美子の生涯を写真と年表、作品に資料を展示した文学記念館。
- (写真左)尾道水道のそばに建つ尾道市内最大のシティホテル「尾道国際ホテル」。
- (写真中)朝食膳「大切な朝ごはん」には、地元の広島サーモン、ちりめん、世羅産コシヒカリなど。
猫がいたる所にいる理想郷と
しまなみエリアの島に癒される
山手地区の艮(うしとら)神社から天寧寺三重塔にかけての細い路地が「猫の細道」。細道沿いの空家や廃屋なった建物を、絵師・芸術家の園山春二さんが再生。古民家を改修しカフェ、バー、小物ショップ、美術館、庭園が並ぶ「尾道イーハトーヴ(理想郷)」と姿を変え尾道のもうひとつの名所になっています。渡船で向島(むかいしま)に渡ると景色は一変。のどかな瀬戸内の島の景色に旅の疲れが癒されます。
- (写真左)「招き猫美術館」から「梟の館」へ続く坂道。
- (写真中)園山春二さんが丸い石に猫の絵を描いた「福石猫」。現在3,000体以上尾道に住みついています。
- (写真右)招き猫を約3,000体収容する「招き猫美術館」。
- (写真左)1階はカフェ、2階が美術館の「梟(ふくろう)の館」。
- (写真左中)見晴らし最高のハーブ園「ショコラティエ ブーケダルブル」。
- (写真右中)「猫の楽園」。
- (写真右)5mの猫(にゃ)槃像。
- (写真左)向島と岩子(いわし)島を結ぶ「向島大橋」。瀬戸内に映える真紅のアーチ型の鉄橋です。
- (写真中)向島はしまなみ海道を走るサイクリングのモデルコースになっています。
- (写真右)映画のロケ地でも利用される岩子島の厳島神社の大鳥居。大潮の満潮時には海上に建つ鳥居として人気の撮影スポットです。
尾道を愛し、尾道が好きだから作った尾道ラーメン
- (写真左)プルプルの背脂が食欲をそそる『尾道ラーメン』(780円)とチャーシューが器からはみ出した『チャーシュー麺』(950円)。
- (写真中)熱々をいただきます。
- (写真右)赤文字の看板が目印。
行列のできる人気の尾道ラーメン専門店。瀬戸内の小鯛をベースに小魚で和出汁を取り、独特の風味がスープに加わった「丸ぼし」の尾道ラーメン。背脂ミンチが、さらりとした醤油ベースのスープを濃厚でコクのあるスープへと変化させています。
尾道ラーメン専門店 丸ぼし
尾道市土堂2丁目8−16
牛乳瓶の懐かしデザインのプリン
- (写真左)昭和レトロな店構え。
- (写真右)『抹茶プリン』(450円)と『尾道プリン』(420円)。
駅前商店街にあるプリン屋さん。牛乳瓶のプリンについているのは醤油差し?いえレモンソース。半分食べてからプリンにかけるとチーズケーキ味に。
おやつとやまねこ
尾道市東御所町3−1
絶景を堪能し“尾道時間”でゆったりいただくランチ
- (写真左)手前から『エビカレー』(Mサイズ1,300円)と『有頭エビのパスタ』(1,320円)。ハーブが添えられています。
- (写真中)窓からは尾道の絶景が広がっています。
- (写真右)千光寺散策の休憩にも最適。
千光寺公園の中のレストラン。落ち着いた店内の窓からは、尾道市街はもちろん晴れた日には遠く四国の山々を眺めながら食事できます。KenちゃんとGoちゃんという猫が、お客さんを和ませてくれています。
欧風料理 プティ・アノン
尾道市東土堂町4-22
1786年創業、尾道ちりめん
- (写真左)良質のちりめんがズラリ。
- (写真中)趣のある入口。
- (写真右)お店の横にある三体のお稲荷さんが並ぶ「築姫小路」は、尾道の名物小路。
とっておきの“ごはんのお供”ちりめんの専門店。1786年の創業で現在は七代目になるそうです。仕入れと味付けの技が生きる伝統の味を提供しています。
北前亭
尾道市土堂2丁目8-13
ひっそり佇む尾道海岸通りのクレープのお店
- (写真左)『チョコオレオクランチ』(手前500円)と『ブリュレ』(600円)。※10月からはメニューが変わります。
- (写真中)以前はカレー屋さんだったお店。窓から注文します。
- (写真右)海岸まではすぐなので船を眺めながらいただきます。
海岸通りのビルの1階にあるクレープのお店。小さな看板なので見逃し要注意。食べ歩き用のテイクアウト販売のみです。
ミカヅキボレロ
尾道市土堂1-13-9
絶品、地場産の海鮮と野菜
- (写真左)外観はれんが造り。店内は古民家風の居酒屋さん。
- (写真中)なぜか1階に1963年製のオート三輪が。現役だそう。
- (写真右)瀬戸内真鯛、かんぱち、タコぶつ、太刀魚のお造り盛り合わせ。
鮮度抜群の海鮮や旬の地物の逸品を味わえます。窓からは、向島への渡船が黄昏に浮かび旅情がそそられます。